chunyang_3
MEMOCQL義城の後、兎の絵柄の灯篭をもらった思追と景儀の話。二人は雲深不知処で同室という勝手な設定です。少しずつ思い出したっぽかったので、そのきっかけになっていたんじゃないかなぁという話です。記憶の灯り 雲深不知処に戻って来た思追は、部屋の扉を閉めると急激に疲れを感じた。義城での事件は、思追達にとっては初めてのことばかりで目が回るようだったから、疲れ切っているのは確かだ。
「はぁー……疲れた」
「もう景儀、そのまま寝ないでよ」
先に部屋に入った景儀がそのまま寝台に倒れ込んでいるのを見ながら、旅の荷物を片付ける。そして、持ち帰った灯篭を枕元に飾ろうとして、置き場所に悩んでいると景儀に後ろから声を掛けられた。
「飾るのか。律儀だな」
「だって、含光君からこんな風に何かを頂くのは珍しいし」
「まぁ、確かにそれもそうだな」
灯篭に描かれている兎を見ると、含光君が日頃から慈しんでいる兎達を思い出して頬が緩んでしまう。この灯篭を手渡してくれた時の含光君の顔を思い出すと、思追はどこか懐かしい記憶が引き出されるような気がして胸に手を当てた。
2112「はぁー……疲れた」
「もう景儀、そのまま寝ないでよ」
先に部屋に入った景儀がそのまま寝台に倒れ込んでいるのを見ながら、旅の荷物を片付ける。そして、持ち帰った灯篭を枕元に飾ろうとして、置き場所に悩んでいると景儀に後ろから声を掛けられた。
「飾るのか。律儀だな」
「だって、含光君からこんな風に何かを頂くのは珍しいし」
「まぁ、確かにそれもそうだな」
灯篭に描かれている兎を見ると、含光君が日頃から慈しんでいる兎達を思い出して頬が緩んでしまう。この灯篭を手渡してくれた時の含光君の顔を思い出すと、思追はどこか懐かしい記憶が引き出されるような気がして胸に手を当てた。
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TRAINING射日の戦いの英雄魏無羨ってつまるところ羿(げい、中国神話の英雄、弓の名手、太陽を落とす)だよなと思ってたんですけど、CQL1話で藍湛がいきなり月見上げてるし、二人の出会いも月見上げてたので、藍忘機って月に逃げなかった嫦娥(じょうが、羿の妻、羿を裏切って不老不死の薬を手に月に逃げる)じゃん!?となった感想のような忘羨知己です。THIS IS 知己(たぶん)Do not repost.
月に昇らじ 夜の風が竹林を通り抜ける囁くような音が聞こえてくる。風の音に藍忘機が琴を弾く手を止め、開け放たれた外へと視線を向けると、魏無羨は軒先から見上げた月の明かりに目を細めながら天子笑を呷っていた。
静室の奥に座る藍忘機がじっと魏無羨の顔を見つめていると、魏無羨が振り向いた。藍忘機の琴の音が止まったことが気になったらしい。
「藍湛、どうかしたのか?」
月明かりに照らされた魏無羨の陰影の濃い輪郭に見惚れながらも、藍忘機は前々から気になっていた疑問を口にした。
「好きなのか?」
「ん? 俺が酒を好きなのは見てれば分かるだろ? 酒ならいくらでも飲めるなぁ」
魏無羨の答えを聞かずとも、彼が酒を愛していていくらでも飲めることは良く知っている。
2362静室の奥に座る藍忘機がじっと魏無羨の顔を見つめていると、魏無羨が振り向いた。藍忘機の琴の音が止まったことが気になったらしい。
「藍湛、どうかしたのか?」
月明かりに照らされた魏無羨の陰影の濃い輪郭に見惚れながらも、藍忘機は前々から気になっていた疑問を口にした。
「好きなのか?」
「ん? 俺が酒を好きなのは見てれば分かるだろ? 酒ならいくらでも飲めるなぁ」
魏無羨の答えを聞かずとも、彼が酒を愛していていくらでも飲めることは良く知っている。
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TRAININGぽいぴくって小説も投稿できるんだ!?ということについ先日気付いたのでちょっとお試しに、陳情令を完走した勢いで50話の隙間を妄想した思追と景儀の話を置いてみます。少年達健やかに育てよ~~~!と思ってしまう。Do not repost.
白き雲と藍色の家 景儀がたどり着いた時には、全ては終わった後のようだった。
観音廟の外に含光君と魏無羨が居るのが見えて、他の藍家の子弟と共に含光君の元に駆けつけた。思追も一緒にいることに気づいた景儀は、慌てて思追とその横に座る温寧の無事を確認する。怪我も無いことを聞いてやっと安堵の息を吐いた。姿が見えなくなっていた思追のことが気になりながら、景儀は探しに行くこともできなかった。一人で飛び出してしまった思追に心配させるなよと言いたかったのに、それよりも無事であったことに何だか力が抜けてしまった。
皆の無事を確認してから改めて後ろを振り向くと、崩れ落ちそうな観音廟の前には呆然とした表情の沢蕪君と聶宗主が座っていた。その二人とは対照的に廟の中では沢山の仙師が動き回って騒がしくしている。建物の外では少なくない数の人が死んでいるのが目に入り、急に恐怖に襲われそうになる。含光君も沢蕪君も、そして思追も無事でいてくれて本当に良かったと思う。それと同時に、自分に出来ることの少なさに歯痒さを感じてしまう。
2609観音廟の外に含光君と魏無羨が居るのが見えて、他の藍家の子弟と共に含光君の元に駆けつけた。思追も一緒にいることに気づいた景儀は、慌てて思追とその横に座る温寧の無事を確認する。怪我も無いことを聞いてやっと安堵の息を吐いた。姿が見えなくなっていた思追のことが気になりながら、景儀は探しに行くこともできなかった。一人で飛び出してしまった思追に心配させるなよと言いたかったのに、それよりも無事であったことに何だか力が抜けてしまった。
皆の無事を確認してから改めて後ろを振り向くと、崩れ落ちそうな観音廟の前には呆然とした表情の沢蕪君と聶宗主が座っていた。その二人とは対照的に廟の中では沢山の仙師が動き回って騒がしくしている。建物の外では少なくない数の人が死んでいるのが目に入り、急に恐怖に襲われそうになる。含光君も沢蕪君も、そして思追も無事でいてくれて本当に良かったと思う。それと同時に、自分に出来ることの少なさに歯痒さを感じてしまう。