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    chunyang_3

    @chunyang_3

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    chunyang_3

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    ぽいぴくって小説も投稿できるんだ!?ということについ先日気付いたのでちょっとお試しに、陳情令を完走した勢いで50話の隙間を妄想した思追と景儀の話を置いてみます。少年達健やかに育てよ~~~!と思ってしまう。
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    #CQL
    #思追
    thinkingAfter
    #景儀
    jingYi

    白き雲と藍色の家 景儀がたどり着いた時には、全ては終わった後のようだった。
     観音廟の外に含光君と魏無羨が居るのが見えて、他の藍家の子弟と共に含光君の元に駆けつけた。思追も一緒にいることに気づいた景儀は、慌てて思追とその横に座る温寧の無事を確認する。怪我も無いことを聞いてやっと安堵の息を吐いた。姿が見えなくなっていた思追のことが気になりながら、景儀は探しに行くこともできなかった。一人で飛び出してしまった思追に心配させるなよと言いたかったのに、それよりも無事であったことに何だか力が抜けてしまった。
     皆の無事を確認してから改めて後ろを振り向くと、崩れ落ちそうな観音廟の前には呆然とした表情の沢蕪君と聶宗主が座っていた。その二人とは対照的に廟の中では沢山の仙師が動き回って騒がしくしている。建物の外では少なくない数の人が死んでいるのが目に入り、急に恐怖に襲われそうになる。含光君も沢蕪君も、そして思追も無事でいてくれて本当に良かったと思う。それと同時に、自分に出来ることの少なさに歯痒さを感じてしまう。
     他家の子弟達とも一緒に観音堂の中に入れば、状況はもっと酷いものだった。大人の仙師達の邪魔にならないように少し遠巻きで片づけを手伝っていると、遠巻きに見ていた魏無羨はロバのりんごちゃんが気になるから後はよろしくと言うなり観音廟を出て行ってしまった。その後ろを当たり前のように温寧も付いていく。ただ、温寧だけは一度そこで振り返って何かを見つめた。景儀がその視線の先を追ってみれば、景儀の横に立つ思追へと辿り着いた。温寧は何か言いたげに、けれど口を開くことは無く一礼をした。思追と景儀も応えて礼をすると、温寧はもうこちらを向くことはなく、観音堂を出て行った。彼らはこれからどこへ向かうのだろう。そんなことを聞いたところで景儀にはきっと分からないことだろうが、仙門の道以外を知らない景儀には想像もつかないことに己の未熟さを実感する。
     さて、と改めて深呼吸をして隣に立つ思追に声をかけた。
    「思追、手伝いに戻ろう」
     景儀のかけた声に、思追は何の反応も示さなかった。
    「おい思追、どうした?」
     思追は観音廟を出て行った温寧の姿がまだ目に浮かんでいるかのように、門の向こうをじっと見つめていた。
    「何だよ、鬼将軍と仲良くなったからいなくなるのが寂しいのか?」
     そう軽く小突いて思追の顔を見た景儀は、思追の表情に息を呑んだ。思追の瞳は驚きに見開かれていて、〝温寧とは仲良くなった〟などという簡単なものでは無いのかもしれない。そんな風に感じてしまった。
     思追は景儀には答えず、懐から何かを取り出した。手のひらに載せたのは、つい先日温寧にもらっていた蝶々の玩具だった。思追は鬼将軍の温寧とは今回のことで初めて知り合ったはずだ。だからと言って、温寧の様子からしてきっとそれだけではないのかもしれない。そんな予感が無かった訳ではなかった。
     思追の名前を聞いたあの時、温寧は言っていた。
    「遠い親戚の子に似てるんだ」
    「君を阿苑と呼んでもいいかい?」
     鬼将軍もそんな可愛いことを言うんだなと、子真と顔を見合わせながらそう笑ってしまった。けれど、本当に思追が温寧の親戚だったなら? それならあの温寧の様子も理解ができる。それに、藍家の子弟があの鬼将軍と親戚だなどと、そんなことはあり得無いはずだ。そう思い込んでいたのかもしれない。
     思い返して見れば、思追は少し前にも様子がおかしい時があった。
    「景儀は三歳より前のことを覚えてる?」
     聞かれた景儀は、そんな小さい頃のことなんて覚えてないし、雲深不知処で遊んでただろ? と答えた。思追も景儀も、藍家の子弟として幼い頃から修行に励んできた。一緒に遊んで、たまに怒られたりして。藍家の家訓を頻繁に破りがちな景儀と違って、思追は含光君の指導の下、いかにも藍家の子弟らしく家訓を守ってきたのは景儀がよく知っている。だからこそ、思追の出自が藍家では無いかもしれないなどと、考えたことは無かった。
     考えたことは無かったのだけれど、思追は小さな頃に両親を亡くして含光君が兄とも父とも言える存在であることも、景儀はよく知っていた。普段そんな話をすることはないし、雲深不知処では知る必要のないことだけれど、知ってはいた。
     玩具の蝶をギュッと握りしめた思追は、何かを決めたように観音堂の門へと駆け出した。
    「おい、思追どこに行くんだ?」
     思追は景儀の慌てた声に驚いたように足を止めた。思追は大きく深呼吸をして冷静になろうと努めているように見えたけれど、藍啓仁先生に走るな騒ぐなと言われても今の思追はきっと何も聞き入れないに違いない。
    「景儀、雲深不知処にはしばらく戻れないかもしれない」
     振り返った思追が景儀を見つめて言った。
    「それって……どういうこと?」
     景儀が考えていること通りなら、こんな人の目が沢山ある場所で話すべきことではない事は百も承知だったけれど、聞かずにはいられなかった。
    「ごめん、急がないと。今度話すよ」
     慌てて再び駆け出した思追の後ろ姿に、景儀は急に不安になって大声を上げた。
    「思追!」
     景儀が強く呼び掛けると、思追はもう一度足を止めて振り返った。
    「お前は、藍家の藍愿だろ!?」
     景儀の大声に、周囲の他の子弟に不思議そうな目を向けられる。
    「……うん」
     思追は少し間を開けてから、うんと頷いた。
    「雲深不知処に、帰ってくるんだよな?」
     景儀が何を言わんとしているのか、思追はきっと気づいたのだろう。
    「……うん!」
     少しばかり困ったような顔をした思追は、それでも今度も縦に大きく頷いた。
    「勿論だよ。だって、僕の家は藍家だから」
     思追が笑って答えるのを見て、景儀も分かったと頷いた。胸元の白雲の襟模様を掴んで整えた思追に、不安が雲のように消えていくようだった。
    「先に帰って待ってるからな」
     景儀が大きく手を振って見送ると、思追は今度は後ろを振り返ること無くまっすぐ観音堂を出て行った。
     藍啓仁先生に見られていたら何から何まで怒られたに違いないと思うと顔がふっと緩んでしまった。家訓を守ろうが破ろうが、臆病な心も、足らない力も、きっといつか彼に負けないくらいにならないといけないのだ。景儀は剣を握る手に力を込めながら、他の子弟の輪へと向かって行った。
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    chunyang_3

    MEMO観音廟の後、藍忘機と別れ一人で旅をしている魏無羨が蓮花塢に立ち寄って金凌と出会う話。CQLを見終わった時に全て終わった後の金凌と魏無羨が再会するのを見たいなと思っていたのですが、魏無羨から両親の話を聞く話になりました。※原作の番外編の再会とは異なります。
    話を聞かせて 目の前に広がる蓮の花の咲く景色を瞳に映し、魏無羨は大きく深呼吸をした。早朝の水辺の空気そのものを吸い込んだような清々しさに、自然と顔が綻んでしまう。朝食を売る屋台の呼び声が聞こえ、波止場の街には既に活気がある。
     この世から消えてしまってからの十六年。決して短くない時の流れの間に変わってしまったことも変わっていないこともある。蓮花塢には少しばかり前にも来たけれど、その時はこんな風に優しく吹く風を感じる余裕は無かった。慌ただしく走り抜けるばかりだった景色が、今は目の前に悠然と広がっている。
     今になって思えば、魏無羨が帰る場所というのは元々この世には無かったのかもしれない。ここ蓮花塢は幼い頃から育った場所でとても大事でかけがえのない存在であることは今も昔も変わらないけれど、魏無羨が帰る場所では無くなってしまった。それは、江澄に江家を破門される前から頭では理解していたことだったが、こうして訪れてみると改めて実感する。
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    chunyang_3

    MEMO景儀と思追の出会いの妄想です。思追が温寧と温家の弔いを済ませ雲深不知処に戻った頃に、魏無羨も雲深不知処に留まる様になったという時間軸の設定です。うさぎと一緒に人参を食べていた頃の思追くんと景儀の出会いの話を書いてみたくなって書きました。
    君と兎と しんと静まり返った蘭室を前にして、藍景儀は柄にもなくとても緊張していた。今日は景儀にとって初めての座学だ。随分前に蘭室には遊びで入って良い場所ではないと叱られてからは一度も近寄っていないので、この建物に来ること自体、ちょっと尻込みしてしまう。
     同じ年頃の藍家の子弟が中に入って行くのに続けて景儀もその静かな空間に足を踏み入れた。周囲を見回してみると、どうやら空いている席に座って良さそうだ。
     こっそり息を吐いて、周囲を見回す。近くに誰か景儀が知っている友達がいると安心できるのだけれど来ているだろうか。そう思って既に座っていた隣の席の少年へと視線を向けた景儀は、視界に入ってきた横顔に思わず息を呑んだ。まるでお手本のように姿勢良く座っていた景儀と同じ白い藍氏の校服を身に纏った少年も、隣に誰かが座ったことに気付いたらしい。軽く横へ顔を向けたことで、景儀と顔を互いに合わせることになった。その顔を見て、景儀は思わず叫ばずにはいられなかった。
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    chunyang_3

    MEMOCQL話数ワンドロワンライアンコール開催分。2周目に見る1話の魏無羨が過ごす夜の話です。2周目ということにすれば、これまでのことを思い出しているんだろうなぁということがネタバレ有りで書けるのでは!?と思い立って書いた話です。草笛で奏でる旋律は全てを失った魏無羨に残された魂に刻まれたものなのだろうなと思えてとても好きです。
    ※画像で上げたものと基本的に同じですが、表現を手直ししています
    残されたもの 魏無羨はこれでも一応途方に暮れていた。
     今の状況で途方に暮れない人はほとんどいないだろう。一度死ぬ前の魏無羨なら、もう少しは不遜な態度でもしてみせたかもしれない。とはいえ、一度魏無羨はこの世から消え、死んでいる間に十六年も時が経っていたらしい。そんな事態なのだから、魏無羨だって多少は途方に暮れても許されるのではないだろうか。
     せめて魏無羨をこの世に蘇らせた莫玄羽が詳細を書き残してくれていれば良かったのだが、どうやらそこまでは考えなしだったのか、それとも詳細を書くことを躊躇っていたのか。
     魏無羨の魂を呼び寄せ、己の魂魄を犠牲にした莫玄羽は魏無羨に負けず劣らず周囲に敵しかいない状況ということは否応なく理解した。一体何をして金家から追い出されたのか詳しくは分からないが、金家にも莫家にも居場所がなかったことだけは確かだ。そんな莫玄羽と一度話をしてみたかったなと思う。もし話が聞けたなら、怨んでいる相手くらい分かるようにしておいてくれとか、陣の描き方のちょっとした間違いなんかを説教してしまうかもしれないけれど。
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    chunyang_3

    MEMOCQL話数ワンドロワンライ5回目(41〜50話)。50話の思追と温寧です。番外編も含めて叔父さんって呼んでるの良いなぁと思っています。思い出さない方が良いと思っていた温寧が、二人で一緒に走って追いかけるんだなぁというところが改めて嬉しいなと思いました。
    焔つなぐ 少し前からもしかしたらと思うことは幾度もあった。己が一体どこの家に生まれ、父母亡き後に一体誰と一緒にいたのか。
     思追は幼き日のことを覚えていなかった。けれどそれは忘れていただけだったのだ。もう会うことは叶わないはずだった人に出会ってから、忘れ去られていた記憶は少しずつ断片的に焔が灯るように蘇っていた。真っ暗な夜空に散らばっていた小さな灯りは、輝く星が互いに繋がり星座を描くように、段々とその全容を理解することができるようになっていた。
     観音廟の外に出ると、思追は駆けつけた他の子弟達に囲まれ、無事を喜ばれながらも観音廟での事の顛末を聞かせてくれとせがまれた。温寧を追いかけて辿り着いてからのことだけでも、思追が説明することは難しい。ましてや金光瑶がどのような人物であったのかを語ることもできそうにない。十六年前に起きたことについても同様だ。それでも、この目で見たことや感じたことはしっかりと覚えておきたいと思った。だからこそ、今はまず不確かな己の過去と向き合いたかった。
    1910

    chunyang_3

    MEMOCQL話数ワンドロワンライ4回目(31〜40話)。39話の刀霊に対面する藍曦臣はどんな気持ちだったのだろうかというのが気になって書いた話です。原作読んでから見るとあの再会シーンだよなぁとも思うところ。この時になって初めて兄上は金光瑶に対する疑念の欠片を抱くのかなと思いはするんですけど、水面が初めて揺らいだ時だったのかもなぁと感じます。
    揺らぐ心 藍曦臣が弟からの知らせを受けて宿に辿り着いた時、藍忘機と莫玄羽はまだ宿に着いていなかった。今ここにいるのは知らせにあった義城で遭遇したという各家の子弟達だろう。若者達は徐々に宿の門の前に集合しつつあった。
    「沢蕪君!」
     藍曦臣に気付いた藍氏の子弟達が近付いてくる。揃って礼をした彼らを見回して、皆無事そうなことに胸を撫で下ろした。
    「忘機はどこに?」
     藍曦臣が問うと、手前に居た藍思追と藍景儀がそれぞれに口を開く。
    「含光君と莫先輩は街を見てくると言っていました」
    「集合の時間を過ぎたのに、まだ戻ってないんですよ」
     景儀が少々不満そうなので、どうやら二人は随分とゆっくり街を見ているらしい。仲良くしているのなら良いことだ。弟がそんなに仲良く連れ立って歩きたいと思う相手などいるのか……と、そこまで考えて頭を振る。これはあくまで仮定の話でしかないし、確証はない。
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    chunyang_3

    MEMOCQL話数ワンドロワンライ3回目(21~30話)。28話の夷陵で再会した忘羨と阿苑の話です。剣と刀で2本買ってもらったんだなぁなんてことを思いながら書きました。
    ※画像で上げたものと基本的に同じですが、表現を手直ししています
    夷陵での再会 子どもがずっと乱葬崗にいるのは良くないかもしれないし、阿苑なら温氏だと誰かに気付かれることもないだろうと、魏無羨は街の様子を見せるためにも阿苑を夷陵の街に連れてきていた。目を離したほんの一瞬でいなくなった阿苑に肝が冷えたのは一瞬で、阿苑はなんとあの雨の中で別れたきりの藍忘機の足元でわんわんと声を上げて泣いていた。
     久しぶりに遭遇した見知った顔が、阿苑を泣かせているなんて思いもしなかった。あんな別れ方をしたのに、再会がこんな笑える場面だなんてことも思いもしなかったけれど。お陰で声を掛けることに悩まずに済んだし、冗談を言って揶揄って、まるで何もなかったかのように話をすることができた。
     屋台の玩具屋の前で足を止め、阿苑に玩具を見せてひやかした。乱葬崗には玩具などないし見せてやるくらいしてもいいだろう。しかし、阿苑に玩具を見せて喜ぶ姿を見た藍忘機は、なぜ買ってやらないと不満気に疑問をぶつけてくる。そりゃあ、お金があったらいくらでも買ってやりたいが、今の魏無羨にはなかなかそうもいかない。
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    chunyang_3

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    白き雲と藍色の家 景儀がたどり着いた時には、全ては終わった後のようだった。
     観音廟の外に含光君と魏無羨が居るのが見えて、他の藍家の子弟と共に含光君の元に駆けつけた。思追も一緒にいることに気づいた景儀は、慌てて思追とその横に座る温寧の無事を確認する。怪我も無いことを聞いてやっと安堵の息を吐いた。姿が見えなくなっていた思追のことが気になりながら、景儀は探しに行くこともできなかった。一人で飛び出してしまった思追に心配させるなよと言いたかったのに、それよりも無事であったことに何だか力が抜けてしまった。
     皆の無事を確認してから改めて後ろを振り向くと、崩れ落ちそうな観音廟の前には呆然とした表情の沢蕪君と聶宗主が座っていた。その二人とは対照的に廟の中では沢山の仙師が動き回って騒がしくしている。建物の外では少なくない数の人が死んでいるのが目に入り、急に恐怖に襲われそうになる。含光君も沢蕪君も、そして思追も無事でいてくれて本当に良かったと思う。それと同時に、自分に出来ることの少なさに歯痒さを感じてしまう。
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    chunyang_3

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    ※画像で上げたものと基本的に同じですが、表現を手直ししています
    夷陵での再会 子どもがずっと乱葬崗にいるのは良くないかもしれないし、阿苑なら温氏だと誰かに気付かれることもないだろうと、魏無羨は街の様子を見せるためにも阿苑を夷陵の街に連れてきていた。目を離したほんの一瞬でいなくなった阿苑に肝が冷えたのは一瞬で、阿苑はなんとあの雨の中で別れたきりの藍忘機の足元でわんわんと声を上げて泣いていた。
     久しぶりに遭遇した見知った顔が、阿苑を泣かせているなんて思いもしなかった。あんな別れ方をしたのに、再会がこんな笑える場面だなんてことも思いもしなかったけれど。お陰で声を掛けることに悩まずに済んだし、冗談を言って揶揄って、まるで何もなかったかのように話をすることができた。
     屋台の玩具屋の前で足を止め、阿苑に玩具を見せてひやかした。乱葬崗には玩具などないし見せてやるくらいしてもいいだろう。しかし、阿苑に玩具を見せて喜ぶ姿を見た藍忘機は、なぜ買ってやらないと不満気に疑問をぶつけてくる。そりゃあ、お金があったらいくらでも買ってやりたいが、今の魏無羨にはなかなかそうもいかない。
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