コウノセイヤ@ダポの絵置き場
DOODLE弊社転生パロ、ダ君のご両親、バラソア再会小説。突貫パッション全振りで書き殴ったお小説です!!昨日の笑い顔のバランパッパから生まれました。イメージソングは少し悲しい感じなんですけどイエモンの「球根」。バラン(25)✗ソアラ(16)。太陽と竜と・バラ(25):再会まで記憶なし
✗
・ソア(16):幼少期から記憶あり
いつかの記憶。
美しい花畑。
花が舞い、その中に。
美しい女と凛々しい顔の少年が立つ。
「…大丈夫ですか?」
その女性の顔を見て、私は『全て』を思い出した。
『使命』を持って誕生し、傷つき倒れた命の瀬戸際に触れた『愛』。
命を授かり、歓喜し、全てを失う。
戦い抜いた果てに手に残ったものは『美しい思い出』『救った息子』『生命の逞しさ』『希望を託した勇者』。
白く霞む記憶と共に、最後に背中を預けた息子よ。
お前は今、どこかでまだ戦い続けているのだろうか。
桜が空に舞う季節。
大学のキャンバスで友人とチェスをしていた時、負けそうになった友人が駒を一つ、歩道に投げて妨害した。
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・ソア(16):幼少期から記憶あり
いつかの記憶。
美しい花畑。
花が舞い、その中に。
美しい女と凛々しい顔の少年が立つ。
「…大丈夫ですか?」
その女性の顔を見て、私は『全て』を思い出した。
『使命』を持って誕生し、傷つき倒れた命の瀬戸際に触れた『愛』。
命を授かり、歓喜し、全てを失う。
戦い抜いた果てに手に残ったものは『美しい思い出』『救った息子』『生命の逞しさ』『希望を託した勇者』。
白く霞む記憶と共に、最後に背中を預けた息子よ。
お前は今、どこかでまだ戦い続けているのだろうか。
桜が空に舞う季節。
大学のキャンバスで友人とチェスをしていた時、負けそうになった友人が駒を一つ、歩道に投げて妨害した。
suika
DONE火の粉視界に光が弾ける。
「──っ」
目を見開くと、暗闇の中にちりちりと赤い炎が揺れる。視界の端で火にくべた薪がばち、と爆ぜる音を立てて崩れていった。
霞む焦点を無理矢理合わせると、炎の向こうに座るヒュンケルが、「起きたのか」とこちらを見た。深紺の空には、まだ鈍い白色を溶かした月が浮かんでいる。日が変わった後に見張りを交代してからどれほど経っただろうか。
わずかに早くなった鼓動を、悟られぬよう深く息を吐いて鎮めた。
「夜明けまでしばらくあるぞ。寝ておいたほうがいい」
「……いや、十分、休んだ」
手に滲む汗を握り込んで、水を汲んでくる、と言い置いて焚火を離れる。
疎らに立ち並ぶ木々の中を歩くと、夜の冷気がマントの隙間から忍び込んでくる。足元の草が溜めた夜露がブーツの皮の表面を弾いて滑り落ちていった。
3588「──っ」
目を見開くと、暗闇の中にちりちりと赤い炎が揺れる。視界の端で火にくべた薪がばち、と爆ぜる音を立てて崩れていった。
霞む焦点を無理矢理合わせると、炎の向こうに座るヒュンケルが、「起きたのか」とこちらを見た。深紺の空には、まだ鈍い白色を溶かした月が浮かんでいる。日が変わった後に見張りを交代してからどれほど経っただろうか。
わずかに早くなった鼓動を、悟られぬよう深く息を吐いて鎮めた。
「夜明けまでしばらくあるぞ。寝ておいたほうがいい」
「……いや、十分、休んだ」
手に滲む汗を握り込んで、水を汲んでくる、と言い置いて焚火を離れる。
疎らに立ち並ぶ木々の中を歩くと、夜の冷気がマントの隙間から忍び込んでくる。足元の草が溜めた夜露がブーツの皮の表面を弾いて滑り落ちていった。