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    #前編

    firstPart

    小柴 小太郎(カンナ)

    SPUR METOV。ユリレイ、ユリシュヴァ。前編。
    かつて泥酔してシュヴァーンにダミュロンの面影を見た放蕩貴族ミルバンの思い出話がきっかけでいらん騒動になりつつ、過労死寸前のシュヴァーンが面会謝絶になったり、ユーリに世話を焼かれたりする話。
    友と呼ぶにはあまりにも 前編.


     アレクセイ・ディノイアの死亡報告から程なくして、騎士団長代行としてフレン・シーフォの名前が挙がってきた。その時はまだ即位こそしていなかったが、実質的には皇帝代行として実務をこなし始めていたヨーデルがそれを承認し、評議会も21歳の若輩者が団長代行ならばアレクセイよりも扱いやすいだろうと見ていたのだが……。
    「またあの男か……シュヴァーン・オルトレイン!」
    「死に損ないの分際で、小賢しい!」
     とんでもない誤算だった。
     ヨーデルにつく尊称が殿下から陛下へと変わり、その直後にフレンの肩書きである騎士団長代理から代理の2文字が取り外された。魔導器の恩恵を失ったテルカ・リュミレースに立て続けに慶事を起こすことで、混乱し萎縮する帝国民を活気づけようという初歩的な方法であることは誰の目にも明らかで、評議会も表立っては反対しなかったのである。
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