harumaki_eat
MAIKINGあらすじにちかいもの寂しがり屋の店主四月一日と、夢で甘えさせてくれる遙おぢさま
百四前提の遙四です
遙×四月一日(店主)まあるい月が、闇夜の黒に白くぽかりと浮かぶ。澄んだ白光は燦々と、縁側に座る四月一日の長細い肢体に降り注ぎ、傾ける盃の清酒を強く透明に導いた。
「月見で一杯。なんて、格別だな」
唇の滴を舌で舐め、横に流した視線にはモコナが口の端を上げて応える。
「役札に倣ってちょうど、四月一日が去年漬けた菊酒がお供だしな」
空になった盃を縁側へ同時に置いて、にやり、互いに笑いを返し合う。今宵の酒は、昨年の秋口に朝露を纏う菊で仕込んだ菊酒。少々の魔力と丹精を込めた甲斐あり、それはそれは清浄な気を放ち喉を焼く味わいは、旨い、と一言で表現するのが勿体ない。モコナは自身と四月一日の、両方の盃にたっぷり菊酒を注いだ。それだけで味の保証はなされたも同然だ。
10946「月見で一杯。なんて、格別だな」
唇の滴を舌で舐め、横に流した視線にはモコナが口の端を上げて応える。
「役札に倣ってちょうど、四月一日が去年漬けた菊酒がお供だしな」
空になった盃を縁側へ同時に置いて、にやり、互いに笑いを返し合う。今宵の酒は、昨年の秋口に朝露を纏う菊で仕込んだ菊酒。少々の魔力と丹精を込めた甲斐あり、それはそれは清浄な気を放ち喉を焼く味わいは、旨い、と一言で表現するのが勿体ない。モコナは自身と四月一日の、両方の盃にたっぷり菊酒を注いだ。それだけで味の保証はなされたも同然だ。