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DONEバルツァーさんと猫(再掲)バルツァーは授業の合間に校舎を抜け出し、野草の上に仰向けになっていた。この寒い季節、バーゼルラントの空気は一層乾いていた。同じ空の筈なのに、ここで見る空の色は祖国より澄んで見える。
(空から銃弾を敵軍に浴びせることができたら、戦術に革命が起きるだろうな……)
誌の一つや二つではなく、そんなことを思ってしまうあたりどうしようもない職業病だ。バルツァーはため息をついて、そっと目を閉じた。しばらくの間、風の音に耳をすませまどろんでいると、不意にカサコソと背後で物音が聞こえてきた。バルツァーは反射で素早く起き上がり、腰のリボルバーに手を掛けた。しかし、冷静になってみると、音の大きさからして人間ではないように思える。鳥かウサギか何かだろう。
1271(空から銃弾を敵軍に浴びせることができたら、戦術に革命が起きるだろうな……)
誌の一つや二つではなく、そんなことを思ってしまうあたりどうしようもない職業病だ。バルツァーはため息をついて、そっと目を閉じた。しばらくの間、風の音に耳をすませまどろんでいると、不意にカサコソと背後で物音が聞こえてきた。バルツァーは反射で素早く起き上がり、腰のリボルバーに手を掛けた。しかし、冷静になってみると、音の大きさからして人間ではないように思える。鳥かウサギか何かだろう。