あゆひさ
DONE※2012ラファエロ×ドナテロ※バレンタインネタです
花を贈る 2月14日。毎年あまり意識していなかったその日は、今年から特別な意味を持つ日になった。
ラファエロの腕の中には大きな花束がある。わざわざ衣服で肌と甲羅を隠して街まで買いに行ったものだ。下水道には似つかわしくない華やかな香りが鼻腔をくすぐった。
2月14日。特別な相手に贈り物をする日。ラファエロにとって、ドナテロは特別な相手になった。何を贈ればいいのかあれこれと頭を悩ませて、結局花束に行きついた。これで正解なのかはわからない。バクバクと鳴る心臓とともにドナテロの部屋に辿り着く。ノックをすれば返事があり、一つ大きく深呼吸をしてドアをくぐった。
「やあラ、ファ……」
ラファエロを迎えたドナテロの瞳が丸くなる。両手で抱える大きさの花束は、どうしたって真っ先に目に入る。
2803ラファエロの腕の中には大きな花束がある。わざわざ衣服で肌と甲羅を隠して街まで買いに行ったものだ。下水道には似つかわしくない華やかな香りが鼻腔をくすぐった。
2月14日。特別な相手に贈り物をする日。ラファエロにとって、ドナテロは特別な相手になった。何を贈ればいいのかあれこれと頭を悩ませて、結局花束に行きついた。これで正解なのかはわからない。バクバクと鳴る心臓とともにドナテロの部屋に辿り着く。ノックをすれば返事があり、一つ大きく深呼吸をしてドアをくぐった。
「やあラ、ファ……」
ラファエロを迎えたドナテロの瞳が丸くなる。両手で抱える大きさの花束は、どうしたって真っ先に目に入る。
あゆひさ
DONE※2012(ニッ亀)ラファエロ×ドナテロ※ゲームしてる話
※微量のホラー表現あり
※5/5スパコミの無配だったものです
ある主人公の悲劇 ドナテロとイチャイチャしたい。
湧き上がった欲求のままにラファエロはドナテロの部屋に押し掛けたのがつい先程のこと。
肝心のドナテロはパソコンの前でゲームを遊んでいるところだった。
「あれ、何か用?」
「……や、別に。暇だから来ただけ」
いきなり部屋にやってきて、イチャつきたいからゲームを止めてくれ──とは言えない。照れくさいし、多分呆れた目が返ってくる。
なので彼の隣に座り、遊んでいるゲームを横から鑑賞することにした。モニターの中では主人公らしい女性が、古びた屋敷の中を謎を解きながら探索していた。
なぜか一ページごとに散らばったメモを集めたり、なぜか異様に手の込んだ仕掛けで扉を開いたり。普段はもっぱらアクションや格闘を遊んでいるラファエロからするとなんとも奇妙な屋敷である。
1687湧き上がった欲求のままにラファエロはドナテロの部屋に押し掛けたのがつい先程のこと。
肝心のドナテロはパソコンの前でゲームを遊んでいるところだった。
「あれ、何か用?」
「……や、別に。暇だから来ただけ」
いきなり部屋にやってきて、イチャつきたいからゲームを止めてくれ──とは言えない。照れくさいし、多分呆れた目が返ってくる。
なので彼の隣に座り、遊んでいるゲームを横から鑑賞することにした。モニターの中では主人公らしい女性が、古びた屋敷の中を謎を解きながら探索していた。
なぜか一ページごとに散らばったメモを集めたり、なぜか異様に手の込んだ仕掛けで扉を開いたり。普段はもっぱらアクションや格闘を遊んでいるラファエロからするとなんとも奇妙な屋敷である。
あゆひさ
DONE※2012ラファエロ×ドナテロ※タイトル通りのゆるゆるガバガバコメディです
興味本位で惚れ薬を作ったドナテロと、それを頭から被ってしまったラファエロの話 スプリンターことヨシ・ハマトの私物には、古い書物がいくつもあった。
そのほとんどが武術や忍術にまつわるものだ。体術や心構えについて書かれたものや、武器や道具が記されたもの。古い時代に使われていた薬についても記されていた。傷を癒す薬草、幻覚を見せる薬──心を惑わせる薬。
科学者とは大抵にして好奇心に満ちているものだ。
少なくともドナテロは、思いついたことは試さずにはいられない質だった。
「これで完成……のはず」
ビーカーの中身を掻き混ぜながら一人呟く。師の書物にあった秘薬の再現を、ドナテロは試みている最中だった。
必要にかられたわけではない。ただ出来そうだったから、作ってみたかったから行っている、要は趣味である。
5805そのほとんどが武術や忍術にまつわるものだ。体術や心構えについて書かれたものや、武器や道具が記されたもの。古い時代に使われていた薬についても記されていた。傷を癒す薬草、幻覚を見せる薬──心を惑わせる薬。
科学者とは大抵にして好奇心に満ちているものだ。
少なくともドナテロは、思いついたことは試さずにはいられない質だった。
「これで完成……のはず」
ビーカーの中身を掻き混ぜながら一人呟く。師の書物にあった秘薬の再現を、ドナテロは試みている最中だった。
必要にかられたわけではない。ただ出来そうだったから、作ってみたかったから行っている、要は趣味である。
あゆひさ
DONE5/3スパコミで無配したニック亀ラフドンSSです。付き合ってる2人が夜の街に出かける話。
帰り道は遠回り 夜の街。独特の喧騒が遠く聞こえて、その中に機械を弄る音が混ざる。
ビルの屋上に立つラファエロの視線の先に、工具を手に座り込んだドナテロの姿がある。
人目につかない場所に設置されている小さな機械は、クランゲが使用する電波を察知してどうのと制作者であるドナテロが長々と解説していたが、いつものごとくろくに聞いていない。
今回は動作確認らしく、このビル一箇所に設置すればそれで終わりだ。すぐ終わる用だから、と一人で出掛けようとしていたドナテロに強引についてきて今に至る。
機械を弄るドナテロは集中していて、ラファエロの視線には気付いていないらしい。
「……」
小さく溜息を落とす。
ラファエロとドナテロの関係は、一般に言う兄弟の枠からいくらか逸脱している。
1387ビルの屋上に立つラファエロの視線の先に、工具を手に座り込んだドナテロの姿がある。
人目につかない場所に設置されている小さな機械は、クランゲが使用する電波を察知してどうのと制作者であるドナテロが長々と解説していたが、いつものごとくろくに聞いていない。
今回は動作確認らしく、このビル一箇所に設置すればそれで終わりだ。すぐ終わる用だから、と一人で出掛けようとしていたドナテロに強引についてきて今に至る。
機械を弄るドナテロは集中していて、ラファエロの視線には気付いていないらしい。
「……」
小さく溜息を落とす。
ラファエロとドナテロの関係は、一般に言う兄弟の枠からいくらか逸脱している。
あゆひさ
DONE※2012ラフドン※片想い中のラファエロがうっかりポロリする話
夢のつづき 数日ぶりにドナテロがラボから出てきた。のそのそとリビングにやってきて、湯気を立てるコーヒーを片手にソファに腰を下ろす。ソファの先客であるラファエロを赤い目がちらりと見た。その目に隈はない。今回はラボの中でまともに睡眠をとっていたようだ。たまに寝食も忘れて没頭するのがこの馬鹿な天才の悪い癖だった。
「うわ、ラファがニュース見てる」
「あ?頭のてっぺんからコーヒー飲みたいって?」
珍獣でも見たような声色に、拳骨を振り上げて見せればドナテロはそそくさと距離をとった。
別にニュースを見ていたわけではなく、単にほんの数分前までこのチャンネルでスポーツ中継が行われていただけだ。他に見たい番組もなくぼんやりと流しっぱなしにしていた。
3529「うわ、ラファがニュース見てる」
「あ?頭のてっぺんからコーヒー飲みたいって?」
珍獣でも見たような声色に、拳骨を振り上げて見せればドナテロはそそくさと距離をとった。
別にニュースを見ていたわけではなく、単にほんの数分前までこのチャンネルでスポーツ中継が行われていただけだ。他に見たい番組もなくぼんやりと流しっぱなしにしていた。
あゆひさ
DONETOONMIX14の無配に少々手を加えたものです。ニック亀ラフドンが昼食を食べる話。
所により嵐の食卓「ラファ、昼飯できてるぞ」
キッチンにやって来たラファエロに、調理器具を片付けながらレオナルドが声をかけた。テーブルには4人分の皿が並んでいる。今日のメニューはサンドイッチだ。
早速かぶりついているミケランジェロの隣に座り、同じく口に運ぶ。
薄切りのキュウリにハムとスライスチーズ。苔とミミズが主食だったころを思えば贅沢になったものだ。
片付けを終えて席についたレオナルドが食事を始める。そうして三人とも食べ終わっても、まだ手付かずの皿が一つあった。
「ドナの奴、朝も食ってねえんじゃねえの」
朝食時にも顔を出さない兄弟がいた。というよりも、朝起きてから一度も顔を見ていない。おおかた作業に熱中して食事も忘れているのだ。
1386キッチンにやって来たラファエロに、調理器具を片付けながらレオナルドが声をかけた。テーブルには4人分の皿が並んでいる。今日のメニューはサンドイッチだ。
早速かぶりついているミケランジェロの隣に座り、同じく口に運ぶ。
薄切りのキュウリにハムとスライスチーズ。苔とミミズが主食だったころを思えば贅沢になったものだ。
片付けを終えて席についたレオナルドが食事を始める。そうして三人とも食べ終わっても、まだ手付かずの皿が一つあった。
「ドナの奴、朝も食ってねえんじゃねえの」
朝食時にも顔を出さない兄弟がいた。というよりも、朝起きてから一度も顔を見ていない。おおかた作業に熱中して食事も忘れているのだ。