とろみ
DONE風さんお誕生日おめでとう小説(めっちゃ短い)です〜〜〜間に合わなくてごめんなさい!風さんおめでとう!!⚠️がっつりCPとかではないですが、風ヴェル要素あるので注意です
春嵐春がきた。といっても、あくまで暦の上での話で、体感としてはまだまだ冬の冷気がしつこく居座っており、春の訪問を引き延ばしている。春と冬の攻防はここ一週間ほど、三寒四温という形で続いているが、今はまだ冬の方が優勢に思える。冬の寒きを経ざれば春の暖かきを知らず、なんて言葉も東洋にはあると聞くが、春の暖かきを知る前に死ぬやつもいるだろう、などと見当違いの屁理屈を捏ねたくなるほど、この島国の冬はイタリア生まれには堪えるものがあった。
「ピンクの花が咲けば春なんじゃないのか。全く暖かさを感じないが。」
澄んだ空に揺れる紅梅を睨みつけながら、ヴェルデが文句を垂れる。血の気のない薄い唇から吐かれる息の白さが今日の寒さを一層際立たせていた。
1587「ピンクの花が咲けば春なんじゃないのか。全く暖かさを感じないが。」
澄んだ空に揺れる紅梅を睨みつけながら、ヴェルデが文句を垂れる。血の気のない薄い唇から吐かれる息の白さが今日の寒さを一層際立たせていた。