hoshina0018
DONE燻るは灰桜色 髪を切る。自分のではなく、隠し刀と呼ばれる男の髪をだ。桜の花びらが舞う縁側で、のほほんと胡座をかきながら自分を待っている。
最初に出会った時は前、横、後ろ、すべての髪を団子のようにひとつで纏めあげていて、纏めきれなかった短い前髪と襟足からこぼれた後れ毛が、風に揺れていたのを覚えている。
しかし、今や伸びに伸びたその髪は団子状にするのは難しく、馬の尾の様にして纏められている。それを解くと、胸の下辺りまで髪が下り、そよそよとあの時のように風に揺れていた。
「無理を言ってすまないな。お前は手先が器用だから、機会があればお前に頼みたかった。」
「そんな事せず、髪結床に頼めばいいじゃないですか。」
「節約の為にいつも自分で切っているから今回もそうしようかと思っていたんだが…丁度お前が訪ねて来てくれたもんだからなぁ。」
2253最初に出会った時は前、横、後ろ、すべての髪を団子のようにひとつで纏めあげていて、纏めきれなかった短い前髪と襟足からこぼれた後れ毛が、風に揺れていたのを覚えている。
しかし、今や伸びに伸びたその髪は団子状にするのは難しく、馬の尾の様にして纏められている。それを解くと、胸の下辺りまで髪が下り、そよそよとあの時のように風に揺れていた。
「無理を言ってすまないな。お前は手先が器用だから、機会があればお前に頼みたかった。」
「そんな事せず、髪結床に頼めばいいじゃないですか。」
「節約の為にいつも自分で切っているから今回もそうしようかと思っていたんだが…丁度お前が訪ねて来てくれたもんだからなぁ。」