伊倉鮭
PROGRESS須佐鍛冶リメイクちゅう…きみのとなり編
【須佐鍛冶】何度だって、きみと【リメイク集】大継町↔織紙町の電車 田舎ならそれなりにかかるんじゃないかという捏造
「ねえ、鍛冶野。旅行に行かない?」
「旅行?」
藪から棒に何だと反芻する。言葉の主はふふと笑って、二の句を継いだ。
「ほら、僕、この間免許を取っただろう? せっかくだから、何処か行きたいなと思って」
「……シュウ、そのために免許取ったのか?」
シュウ──須佐見秀ノ介は、怪訝な顔をしてこちらを見ている鍛冶野彦道の目を見て笑いかける。
「そうとも言う」
小さく、彦道がため息をついたのを秀ノ介は見逃さなかった。嫌だったかい、とでも言いたげな目で彦道を見遣る。
「で? 若留は連れていくのか?」
「鍛冶野がそうしたいなら」
「……それは」
──ふたりで行きたい、の、裏返しかと思った。だから彦道は「若留には言わないでおく」と言った。秀ノ介は嬉しそうに頷いた。
4436「ねえ、鍛冶野。旅行に行かない?」
「旅行?」
藪から棒に何だと反芻する。言葉の主はふふと笑って、二の句を継いだ。
「ほら、僕、この間免許を取っただろう? せっかくだから、何処か行きたいなと思って」
「……シュウ、そのために免許取ったのか?」
シュウ──須佐見秀ノ介は、怪訝な顔をしてこちらを見ている鍛冶野彦道の目を見て笑いかける。
「そうとも言う」
小さく、彦道がため息をついたのを秀ノ介は見逃さなかった。嫌だったかい、とでも言いたげな目で彦道を見遣る。
「で? 若留は連れていくのか?」
「鍛冶野がそうしたいなら」
「……それは」
──ふたりで行きたい、の、裏返しかと思った。だから彦道は「若留には言わないでおく」と言った。秀ノ介は嬉しそうに頷いた。