yonn1827
MAIKING君の為の食事シリーズ後編。いただきます。
食事。いただきます。ご馳走様。千冬からする汗と少し甘めの香水が鼻をくすぐる。
匂いが麻薬のように身体中に巡り、夢の中にいるのうな錯覚に少しの心地良さと不安感が押し寄せた。
いつも通る廊下がやたら長く感じるのも、地に足が着いてるのか分からないこの感覚も全部千冬のせいだ。
千冬がリビングに入ってすぐに、俺の手を離し
「食事の前に、手洗ってきますね。
一虎くん座って待っててください。」
と足早に洗い場へ向かう。
俺は、言われるがまま椅子に浅く座りぼんやりと手首を見つめる。
握られた手首がカイロのように暖かくなっていて、反対の手で熱を冷ました。早く冷めろと手首に力を込めて握りしめる。この温もりがなくなっていくのが嫌だという自分に気づいた時には、手首に真っ赤な半月型の痕が残っていた。
1451匂いが麻薬のように身体中に巡り、夢の中にいるのうな錯覚に少しの心地良さと不安感が押し寄せた。
いつも通る廊下がやたら長く感じるのも、地に足が着いてるのか分からないこの感覚も全部千冬のせいだ。
千冬がリビングに入ってすぐに、俺の手を離し
「食事の前に、手洗ってきますね。
一虎くん座って待っててください。」
と足早に洗い場へ向かう。
俺は、言われるがまま椅子に浅く座りぼんやりと手首を見つめる。
握られた手首がカイロのように暖かくなっていて、反対の手で熱を冷ました。早く冷めろと手首に力を込めて握りしめる。この温もりがなくなっていくのが嫌だという自分に気づいた時には、手首に真っ赤な半月型の痕が残っていた。