なりひさ
涂鸦ハドvsマトのとこアバマト 沈んだ夜風が肺を満たした。湧き上がる怒りをなんとか抑える。
眼下のハドラーは驚いているようだが、オレが誰だかはわからない様子だった。
そのほうが都合がいい。ルーラでポップの横に降り立つ。ポップに小言を言いながらもハドラーから目を離さなかった。
どうしてもこいつだけは許せないからだ。
「クールでなけりゃならねえんだ」
それは殆ど己に言い聞かせていた。今にも怒りのままに呪文を撃ってしまいたくなる。
アバンが死んだ。ハドラーから弟子たちを守ったからだ。
それを聞いたとき、あいつならやりかねないと思った。それが実感を持って胸に沁みていき、アバンが死んだのだという事実が棘になって胸に刺さった。それは痛みを伴ってまだ胸にある。
727眼下のハドラーは驚いているようだが、オレが誰だかはわからない様子だった。
そのほうが都合がいい。ルーラでポップの横に降り立つ。ポップに小言を言いながらもハドラーから目を離さなかった。
どうしてもこいつだけは許せないからだ。
「クールでなけりゃならねえんだ」
それは殆ど己に言い聞かせていた。今にも怒りのままに呪文を撃ってしまいたくなる。
アバンが死んだ。ハドラーから弟子たちを守ったからだ。
それを聞いたとき、あいつならやりかねないと思った。それが実感を持って胸に沁みていき、アバンが死んだのだという事実が棘になって胸に刺さった。それは痛みを伴ってまだ胸にある。