三野(幻水)
完畢デュナン統一戦争後のシュウとクラウスの話。三野がたまに描くクラウスの指輪についての小話。
印章 彼の男は、戦が終わり少年王が即位した後は流れるように自分の棲み家へと帰っていった。元より、商家の主しての肩書を彼は気に入っていたようだし、何より充分すぎるほどにデュナン統一のために身を尽くして貢献していたので、その後の自由は当然の権利であるとも思う。
初めに敵として相対し、その内に同陣営の上官として見つめてきた彼は、その能力は如何あれ本来戦場などには相応しくない男であると、クラウスの目には映っていた。
赤月帝国の軍師であったマッシュ・シルバーバーグに軍略や振る舞いを学んだ彼は、必要であったからこそ、大胆に、時に冷徹にその才能を揮っていた。けれどその在り方は恐らく、彼の性質には些か負担であったろうとクラウスは思う。
4106初めに敵として相対し、その内に同陣営の上官として見つめてきた彼は、その能力は如何あれ本来戦場などには相応しくない男であると、クラウスの目には映っていた。
赤月帝国の軍師であったマッシュ・シルバーバーグに軍略や振る舞いを学んだ彼は、必要であったからこそ、大胆に、時に冷徹にその才能を揮っていた。けれどその在り方は恐らく、彼の性質には些か負担であったろうとクラウスは思う。