kaihazam
MEMOルファレクのハロウィンお菓子で終わらせたい書記官と悪戯したい筆頭 「ふむ…ここは『Trick or Trick』と宣言するべきかな?」
「旦那、冗談は仮面だけにしとこうぜ?」
貴族風のタキシードに漆黒のマントを羽織った姿はまさしく伝説の吸血鬼。
金糸の髪がサラサラと風に揺られ湖面を思わせる碧い瞳、一枚の絵画のごとく完成された美貌の男に、レクターは、どこからともなく袋に包まれた飴玉を取り出しその手に乗せた。
……いや、乗せようとした。が、気づけば飴を持った方の手首をつかまれ、軽く引き寄せられる。そして、そのまま男の胸元に収まる……事もなく、レクターは空いた手でトンと男の胸を叩き、その反動を利用してクルリと回転するように身を躱した。
掴まれている手に収まっていたはずの飴は、いつのまにか空いたその手にあり、マジシャンのような早業で、そのまま男の胸ポケットにねじ込もうとするが、男は手首から掌へと撫でるような仕草でその動きを受け流し、結果としてレクターはもう一回転して、男の数歩先で立ち止まった。
658「旦那、冗談は仮面だけにしとこうぜ?」
貴族風のタキシードに漆黒のマントを羽織った姿はまさしく伝説の吸血鬼。
金糸の髪がサラサラと風に揺られ湖面を思わせる碧い瞳、一枚の絵画のごとく完成された美貌の男に、レクターは、どこからともなく袋に包まれた飴玉を取り出しその手に乗せた。
……いや、乗せようとした。が、気づけば飴を持った方の手首をつかまれ、軽く引き寄せられる。そして、そのまま男の胸元に収まる……事もなく、レクターは空いた手でトンと男の胸を叩き、その反動を利用してクルリと回転するように身を躱した。
掴まれている手に収まっていたはずの飴は、いつのまにか空いたその手にあり、マジシャンのような早業で、そのまま男の胸ポケットにねじ込もうとするが、男は手首から掌へと撫でるような仕草でその動きを受け流し、結果としてレクターはもう一回転して、男の数歩先で立ち止まった。