hayasugiru
MAIKINGあんころ前磯:磯のじっとり片思い、好きですきっと告白できないしそれでいいのかも
よくばりが溺れる夏「ふたつ同時に持ってちゃいけないものってなんだと思う?」
「え、なにそれ。社会科の問題?」
そういう訳じゃないんだけど、と言ったのに、前原は、
「わかった。コッカゲンシュ! 国で一番偉い人はひとりじゃなければいけない的な」
「国家元首? だから社会じゃないってば」
はい!と挙手をして
「これじゃね? 『配偶者』!」
「お前が言うの? 稀代のワルの前原さんが」
「それ褒め言葉だから。研二さんは俺たちのヒーローだからね。うーん、でも、配偶者がふたりいたらなんか浮気って感じ。」
「重婚だよ。」
「それでさ、配偶者がいっぱいいたら、そういう制度かなーって感じしない?」
「しないよ。犯罪だよ。」
「海、楽しみだな」
プールの縁の岩場にこしかけて、ばちゃばちゃと足をばたつかせながら前原は笑った。
1276「え、なにそれ。社会科の問題?」
そういう訳じゃないんだけど、と言ったのに、前原は、
「わかった。コッカゲンシュ! 国で一番偉い人はひとりじゃなければいけない的な」
「国家元首? だから社会じゃないってば」
はい!と挙手をして
「これじゃね? 『配偶者』!」
「お前が言うの? 稀代のワルの前原さんが」
「それ褒め言葉だから。研二さんは俺たちのヒーローだからね。うーん、でも、配偶者がふたりいたらなんか浮気って感じ。」
「重婚だよ。」
「それでさ、配偶者がいっぱいいたら、そういう制度かなーって感じしない?」
「しないよ。犯罪だよ。」
「海、楽しみだな」
プールの縁の岩場にこしかけて、ばちゃばちゃと足をばたつかせながら前原は笑った。