梨🍐🍐🍐
DOODLE弓剣ピクシブにあげてたやつ
出会わなければよかった 前編「なあ、遠くへ行こう、オレと、お前なら」
絞り出したような声だった。その逞しく上背のある体から発せられたとは思えないほどに、悲しくて哀しくて、愛しい声だった。
でも、首を縦には振れなかった。横に振れるほど割り切れてもいなかった。ただ見つめて彼がその先を言わないよう願った。
にげよう
そう言われたら、彼に縋りついてしまいそうだった。この先、私を待っているであろう未来から逃げたかった。彼から離れたくなどなかった。
でも、それでも、私には役目があった。それが私の存在する理由だった。私の運命だった。
私と彼を引き裂かんとする音が聴こえる。もう間に合わない、逃げられない、運命は、変えられない。
「アルトリア」
私の名を彼は叫んだ。結局、彼と兄しか呼ぶことのなかった私の名前。もう、その名で呼ばれることもないのだろう。
9487絞り出したような声だった。その逞しく上背のある体から発せられたとは思えないほどに、悲しくて哀しくて、愛しい声だった。
でも、首を縦には振れなかった。横に振れるほど割り切れてもいなかった。ただ見つめて彼がその先を言わないよう願った。
にげよう
そう言われたら、彼に縋りついてしまいそうだった。この先、私を待っているであろう未来から逃げたかった。彼から離れたくなどなかった。
でも、それでも、私には役目があった。それが私の存在する理由だった。私の運命だった。
私と彼を引き裂かんとする音が聴こえる。もう間に合わない、逃げられない、運命は、変えられない。
「アルトリア」
私の名を彼は叫んだ。結局、彼と兄しか呼ぶことのなかった私の名前。もう、その名で呼ばれることもないのだろう。