まんまるきゃべつ
DONEXにあぷしたジュンブラ衣装のタキシード着たエドの話花言葉は運命の人、あなたしかいない タキシードなんざ着たこともないし着る機会があるとも思ってなかった。不慣れなネクタイも何とか結んで、他の連中とあれこれ写真撮られて…。写真ってのもプロのカメラマンに上手く乗せられたら案外笑えるもんだ。ただ、撮影の手伝いに来てたあいつがそれを微笑ましそうに見てたからちょっと気恥ずかしかった。
「おい」
「ん…?」
皆に水配ったりで忙しそうなあいつが休憩してるとこを見計らって声を掛ける。俺の差し出す花を見ると不思議そうに首を傾げた。
「ブーケの花…?」
「やる」
ブーケに一輪だけ入ってた赤い薔薇。スタッフが雑談混じりに話した花言葉がやけに耳に残ってたから、貰っていいか態々訊いて来たのだ。
「いいの?」
「おう」
484「おい」
「ん…?」
皆に水配ったりで忙しそうなあいつが休憩してるとこを見計らって声を掛ける。俺の差し出す花を見ると不思議そうに首を傾げた。
「ブーケの花…?」
「やる」
ブーケに一輪だけ入ってた赤い薔薇。スタッフが雑談混じりに話した花言葉がやけに耳に残ってたから、貰っていいか態々訊いて来たのだ。
「いいの?」
「おう」
まんまるきゃべつ
DONEXにあぷしたカブトムシ見せてくれるエドの話悪気はなかったんだ、さあ森へお帰り「お、カブトムシ」
道路に落ちていたうごうごしてるそれ。車に轢かれそうな場所に居るから、エドがちょっと急ぎ足で捕まえに行く。
「グラントシロカブトっつーんだよ、カッケーよな」
「そうなんだ、詳しいね」
エドの掌に乗せられたそのカブトムシは雄で、角をツンと上げたまま動かない。すると、エドが徐ろにその手をこっちに寄越した。
「触ってみるか?」
「え…?い、いや…大丈夫」
確かに上から見てる分には可愛いと思う。コロンとしたフォルムとか。ただ、どうしても裏側がなぁと思うから、首を傾げるエドから二、三歩後退った。
「カブトムシ、こえーのか?」
「怖いってわけじゃなくて」
ここで気持ち悪いと言うのは申し訳なくて言い濁していると、エドはカブトムシの背中を持ってこっちに向けた。裏側がうごうごしてる。目にするのが耐えられなくて顔を背けた。
616道路に落ちていたうごうごしてるそれ。車に轢かれそうな場所に居るから、エドがちょっと急ぎ足で捕まえに行く。
「グラントシロカブトっつーんだよ、カッケーよな」
「そうなんだ、詳しいね」
エドの掌に乗せられたそのカブトムシは雄で、角をツンと上げたまま動かない。すると、エドが徐ろにその手をこっちに寄越した。
「触ってみるか?」
「え…?い、いや…大丈夫」
確かに上から見てる分には可愛いと思う。コロンとしたフォルムとか。ただ、どうしても裏側がなぁと思うから、首を傾げるエドから二、三歩後退った。
「カブトムシ、こえーのか?」
「怖いってわけじゃなくて」
ここで気持ち悪いと言うのは申し訳なくて言い濁していると、エドはカブトムシの背中を持ってこっちに向けた。裏側がうごうごしてる。目にするのが耐えられなくて顔を背けた。