初春おもち
DONE灰七ワンウィークお題。夜/半分/夏。より、お題、全部盛り。#灰七ワンウィーク企画
私の半身目に痛い夏の日差しが通り過ぎて、秋の気配が漂うようになってくる夏の夜。
もう0時を回ったというのに、東京の街の灯りは神々しく、とても強い。そして、その光が強い程、闇も濃くなる。そんな欲望渦巻く東京には呪霊が湧きやすい。けれど、今、そんな七海は日常から離れて、ホッと息をつき、東京の街の夜空を見上げている。
この季節になると、2006年の夏の夜の事を思い出す。高専一年の七海がまだ若かった頃、灰原と夜中に寮を抜け出して、高専裏手の山に行った時の事を。
七海はグラスの酒を煽ると、「ふぅ」と息をつく。ガラス張りの机の上には、灰原と七海が仲良く写っているⅬ判写真が、透明なガラスケースに入れられて飾られている。
「灰原、私の半身」
4281もう0時を回ったというのに、東京の街の灯りは神々しく、とても強い。そして、その光が強い程、闇も濃くなる。そんな欲望渦巻く東京には呪霊が湧きやすい。けれど、今、そんな七海は日常から離れて、ホッと息をつき、東京の街の夜空を見上げている。
この季節になると、2006年の夏の夜の事を思い出す。高専一年の七海がまだ若かった頃、灰原と夜中に寮を抜け出して、高専裏手の山に行った時の事を。
七海はグラスの酒を煽ると、「ふぅ」と息をつく。ガラス張りの机の上には、灰原と七海が仲良く写っているⅬ判写真が、透明なガラスケースに入れられて飾られている。
「灰原、私の半身」