たまちん
DOODLE留文ワンライ遅刻参加お題「思い寝」
ほぼメイン仙蔵だけど留文(大事な主張)
(タイトルは崇徳院の和歌より)
朝夕に花待つころはチュンチュンと爽やかな定番の朝の代名詞を聴きながら仙蔵は隣の気配で目を覚ました。
この学年になってから珍しく、昨夜は文次郎が自室の寝具で眠っていたのだった。くわ、と山犬の様に大口を開き朝の空気を肺の奥にとりこむ同室の様子は、未だ濃く残る隈と相反して非常に満足げだった。
「なんだ文次郎、やたら機嫌が良さそうじゃないか」
いっそ鼻歌まで歌い出しそうな様子に思わず仙蔵は問いかける。
「ああ、実はな。」
そう切り出した文次郎は、聞かれた事自体が嬉しげな顔である。半ば兄弟の如き同室にすら余程聞かせたいのだろう。普段こんなに浮かれることの無い友の様子に仙蔵は半眼になった。長年の付き合いで分かるが、大体こういう時の文次郎は本当に喜ばしい事があったか、若しくは他者から見れば実に下らない"何か"があった時である。この浮かれポンチという言葉の例に相応しい様子に、どうやら今回は後者のようだ。
2550この学年になってから珍しく、昨夜は文次郎が自室の寝具で眠っていたのだった。くわ、と山犬の様に大口を開き朝の空気を肺の奥にとりこむ同室の様子は、未だ濃く残る隈と相反して非常に満足げだった。
「なんだ文次郎、やたら機嫌が良さそうじゃないか」
いっそ鼻歌まで歌い出しそうな様子に思わず仙蔵は問いかける。
「ああ、実はな。」
そう切り出した文次郎は、聞かれた事自体が嬉しげな顔である。半ば兄弟の如き同室にすら余程聞かせたいのだろう。普段こんなに浮かれることの無い友の様子に仙蔵は半眼になった。長年の付き合いで分かるが、大体こういう時の文次郎は本当に喜ばしい事があったか、若しくは他者から見れば実に下らない"何か"があった時である。この浮かれポンチという言葉の例に相応しい様子に、どうやら今回は後者のようだ。