sky_yuratto
DONE※文章中に顔を思わせる表現があります( 顔あり )空ろを■る 孤島――初めて感じ得たそれは『 』だった。
空ろを■る
「おい、あんた…」
脈々と生きづいていた者はとうに消えた砂の丘に中天ささやかに光が歌うその地で星の子が相対して、
「動けるか?」
……いや一人は伏していた。応答はない。自らの容姿とそう違わない目の前のそれに星の子は同じものだと悟った。あの壁画を見たのだろう、洞窟を進み、使命を身に帯び歩み始めたのだろう……自らと同じ様に。ならば置いて行く道理はなくなった。こうして星の子は膝をついた。
自らの灯をかざしよく見ればその身が砂に塗れていることがわかった。軽く払えば湿気の混じらない土地だ、赤茶けた砂はさらりと落ちていく。纏う翼の如き衣は本来の茶色を取り戻し、その背に瞬く星が一つ、二つと宿った。
3110空ろを■る
「おい、あんた…」
脈々と生きづいていた者はとうに消えた砂の丘に中天ささやかに光が歌うその地で星の子が相対して、
「動けるか?」
……いや一人は伏していた。応答はない。自らの容姿とそう違わない目の前のそれに星の子は同じものだと悟った。あの壁画を見たのだろう、洞窟を進み、使命を身に帯び歩み始めたのだろう……自らと同じ様に。ならば置いて行く道理はなくなった。こうして星の子は膝をついた。
自らの灯をかざしよく見ればその身が砂に塗れていることがわかった。軽く払えば湿気の混じらない土地だ、赤茶けた砂はさらりと落ちていく。纏う翼の如き衣は本来の茶色を取り戻し、その背に瞬く星が一つ、二つと宿った。