nanashiyrmt
PROGRESSイベントに合わせて出すつもりだった小説の一部です。これから頑張って書き上げます。イベント本当にありがとうございました!#縁巌ロンリーイベント「追憶のリーベ」
夢を見る。真っ暗な空間に一人、取り残される夢。周りは一切見えないのに、『いらない子』『忌み子』だと蔑む声だけが響いている。それが己に向けられたものであることは十分に理解できた。夢の中の俺はいつも何もできずただ一人、うずくまってじっと耐える。自分が悪いのだ。全てすべて、自分が生まれてきてしまったから。染みついた罪の意識がこの身を苛む。
――いっそ何も知覚できなければいいのに。
いくら願えども生来の―以外に不具を持たないこの体は、持ち主に構わず轟轟と呼吸を続ける。
――誰か、ああ誰か俺を―――てくれないか。
『縁壱』
どうしようもない寂しさの中、ふと顔を上げると美しい光が己を照らしていた。穢れのない小さな光が呼ぶ俺の名は、何よりも心強くて暖かい。
『縁壱』
光は俺にそっと寄り添ってくれた。あらゆる陰口から俺を守り、空間の外を見せてくれた。光が見せてくれる世界はなんとも美しく柔らかいものであった。この光が、一等自分の中で大切なのだと感じた。光はまるで闇夜を照らす月のようで、それに気づいて俺はいつも目が覚めるのだ。
今年の冬は、温かかった去年に比べて気温の低い日が多いと 9998