suzume0406
DONE豪華客船と怪盗団の自陣営出会いの話です。ギャンブラーとスーパーモデルのお話。 七星ツキは困っていた。
彼の目の前には、ルーレットがある。あのカジノによくある、大きなホイールと黒と赤のチップを置く場所が表示されているマットがついてあるやつだ。そのルーレットの前に座るツキの手には、先ほどまで夥しい量のチップがあった。金額は、良く分からないがおそらくとても高額だったのだろう。
それも先ほどまでの話である。ツキは、先ほど持っているチップを一つの数字に全てベットし、負けた。結果、手にしていた莫大な金は失われ、今やツキは一文無しだ。常人であれば発狂してもおかしくない状況だが、ツキは何も感じていなかった。いや、困っていはいたが。
(まずい……。楽しくてまたやっちゃったかも……)
ツキはギャンブラーなのだが、金よりもギャンブルという行為そのものを愛していた。熱中しきると、帰りの交通費なんて吹っ飛んでしまうくらいには、ギャンブルに目がないのである。あの、持っているもの全てを賭ける時に感じる血が沸き立つ感覚が、追い詰められたときに感じる己の心臓の音を聞くことがツキはいっとう好きなのだ。
5861彼の目の前には、ルーレットがある。あのカジノによくある、大きなホイールと黒と赤のチップを置く場所が表示されているマットがついてあるやつだ。そのルーレットの前に座るツキの手には、先ほどまで夥しい量のチップがあった。金額は、良く分からないがおそらくとても高額だったのだろう。
それも先ほどまでの話である。ツキは、先ほど持っているチップを一つの数字に全てベットし、負けた。結果、手にしていた莫大な金は失われ、今やツキは一文無しだ。常人であれば発狂してもおかしくない状況だが、ツキは何も感じていなかった。いや、困っていはいたが。
(まずい……。楽しくてまたやっちゃったかも……)
ツキはギャンブラーなのだが、金よりもギャンブルという行為そのものを愛していた。熱中しきると、帰りの交通費なんて吹っ飛んでしまうくらいには、ギャンブルに目がないのである。あの、持っているもの全てを賭ける時に感じる血が沸き立つ感覚が、追い詰められたときに感じる己の心臓の音を聞くことがツキはいっとう好きなのだ。