sinister_seagul
DOODLELucifer and me (mc) from the otome game, Obey Me!Sketch, drawn on iPad Pro procreate
2023 January
nagi
DONE◆薄明の暁星(後編)◆ルシファーと人間界で過ごす10日間シリーズ。
後編はルシファー視点。MCはネームレス。
薄明の暁星06.
「おいで」と誘ったベッドの上。彼女は少しむくれて「ここ、私のベッドなのに」なんてこぼしつつも素直に俺の足の間に座り込んだ。
「こうされることを望んだのはおまえだぞ?」
「そ、そう、なんだけど……」
「実際されると恥ずかしい、か」
「っ……わかってるならっ」
「くくっ……それでやめて貰えると思ったら大間違いだ」
「、わ!」
腕を取って腰を引き寄せると、驚くほど簡単に倒れこんでくる身体。いきなり何するの!とのお咎めは、同時に上を向いた口を塞ぐことで俺が呑み込んだ。
「ん、ぅ、」
「ふ、……は、ンっ」
後頭部を固定して逃げられないようにすると、大人しく向こうからも舌が伸びてきて、絡めて食んで吸ってやれば、あふ、と悩ましい声が俺を内外から満たす。俺の胸のあたりに縋ってくる手が愛おしいと思う。こいつのこの行動は小悪魔に相違いない。暫く貪って舌を引き抜いたときには蕩けた瞳だけが残った。
22904「おいで」と誘ったベッドの上。彼女は少しむくれて「ここ、私のベッドなのに」なんてこぼしつつも素直に俺の足の間に座り込んだ。
「こうされることを望んだのはおまえだぞ?」
「そ、そう、なんだけど……」
「実際されると恥ずかしい、か」
「っ……わかってるならっ」
「くくっ……それでやめて貰えると思ったら大間違いだ」
「、わ!」
腕を取って腰を引き寄せると、驚くほど簡単に倒れこんでくる身体。いきなり何するの!とのお咎めは、同時に上を向いた口を塞ぐことで俺が呑み込んだ。
「ん、ぅ、」
「ふ、……は、ンっ」
後頭部を固定して逃げられないようにすると、大人しく向こうからも舌が伸びてきて、絡めて食んで吸ってやれば、あふ、と悩ましい声が俺を内外から満たす。俺の胸のあたりに縋ってくる手が愛おしいと思う。こいつのこの行動は小悪魔に相違いない。暫く貪って舌を引き抜いたときには蕩けた瞳だけが残った。
nagi
DONE◆薄明の暁星(前編)◆ルシファーと人間界で過ごす10日間シリーズ。
時系列ガン無視のMC捏造設定多め。
前編はMC(ネームレス)視点。
薄明の暁星01.
カーテンの隙間から溢れた光で意識が覚醒した午前八時。やった!晴れた!と思ってそれを勢いよく開けると、雲間から一筋の光が差し込んでいるだけだったので項垂れてしまった。ここイギリスでは、晴天という日は大変珍しいのだ。気をとりなおして、またすぐ雲に隠れた太陽に、おはようと告げる。
毎日カレンダーにチェックを入れながらずっとずっと待っていた時間がやっときたのだから、そのくらいで気分が悪くなるようなことは絶対にない。
クローゼットを覗き込むと、昨日準備しておいたミモレ丈のワンピースが今すぐ身につけて!と訴えてくる。昨日はこれが最適だと思って準備したのだけど、今見てみると気合が入りすぎなような気もしてくる。細身のパンツにニットを合わせるくらいの方がいいんじゃないだろうか、なんて。
22934カーテンの隙間から溢れた光で意識が覚醒した午前八時。やった!晴れた!と思ってそれを勢いよく開けると、雲間から一筋の光が差し込んでいるだけだったので項垂れてしまった。ここイギリスでは、晴天という日は大変珍しいのだ。気をとりなおして、またすぐ雲に隠れた太陽に、おはようと告げる。
毎日カレンダーにチェックを入れながらずっとずっと待っていた時間がやっときたのだから、そのくらいで気分が悪くなるようなことは絶対にない。
クローゼットを覗き込むと、昨日準備しておいたミモレ丈のワンピースが今すぐ身につけて!と訴えてくる。昨日はこれが最適だと思って準備したのだけど、今見てみると気合が入りすぎなような気もしてくる。細身のパンツにニットを合わせるくらいの方がいいんじゃないだろうか、なんて。
nagi
DONE◆死線を越えて、最愛と◆疑似だけど死の匂わせがあるので苦手な人は注意。
ちょっとしたすれ違いからの、最後はもちろん、ハピエン。
死線を越えて、最愛と 堪忍袋の尾が切れた、というよりも、諦めや絶望の気持ちに近かった。
最近ルシファーとした約束は悉く破られ、それでも私はいい子を演じることをやめられない。それに怒って呆れられ、嫌われるくらいなら離れた方がいいと思った。ただそれだけだった。でもそれすらも許してもらえなくて問い詰められたのがついいましがたのことで、私が本心を曝け出す以外の道は残されていなかった。
「ルシファーのせいじゃないってわかってる。だけど理解できても受け入れられないことだってあるの、わかる?」
「……」
「傷付くのはもう嫌だよ……だから、もう約束しない。約束するような関係でいたくない」
「それは、」
「ごめんねルシファー。大丈夫。何もなかった頃に戻れるよ、ルシファーも、私も」
5582最近ルシファーとした約束は悉く破られ、それでも私はいい子を演じることをやめられない。それに怒って呆れられ、嫌われるくらいなら離れた方がいいと思った。ただそれだけだった。でもそれすらも許してもらえなくて問い詰められたのがついいましがたのことで、私が本心を曝け出す以外の道は残されていなかった。
「ルシファーのせいじゃないってわかってる。だけど理解できても受け入れられないことだってあるの、わかる?」
「……」
「傷付くのはもう嫌だよ……だから、もう約束しない。約束するような関係でいたくない」
「それは、」
「ごめんねルシファー。大丈夫。何もなかった頃に戻れるよ、ルシファーも、私も」
nagi
DONE◆愛情たっぷり召し上がれ◆人間界にルシファーを呼び出せるようになったら、こんな風でありますように、という捏造。
愛情たっぷり召し上がれ 意識が引き上げられると、久しぶりに瞼に明るい光が降り注いでいるのが分かった。ああそうか、今日は人間界にいるんだと、寝起きの脳が理解する。
隣で眠るルシファーは窓に背を向け、私のほうを向いているのでまだ起きる気配はなかった。元より朝は苦手なルシファーのことだ。私が起こすか、アラームがけたたましい音を立てない限りは目を覚まさないだろう。昨日だって、執行部の仕事が…と言いながらも、約束通りに人間界に来てくれて、その上夜通し私を愛することも忘れなかったのだからその推測はきっと事実になるはずだ。
先に起きて朝食の支度でもしておいたら、ちょっとは見直してもらえるかもしれないと、どこか浮足立つ。
魔界のルシファーの部屋のベッドの何分の1しかない小さなそこを、狭いと言いつつも気に入ってくれていることには気づいていた。ルシファーの寝顔を見ていたら、なんだか胸の奥がきゅぅんとして、私たち以外誰もいない部屋を見回すと、深呼吸を一つ。
2317隣で眠るルシファーは窓に背を向け、私のほうを向いているのでまだ起きる気配はなかった。元より朝は苦手なルシファーのことだ。私が起こすか、アラームがけたたましい音を立てない限りは目を覚まさないだろう。昨日だって、執行部の仕事が…と言いながらも、約束通りに人間界に来てくれて、その上夜通し私を愛することも忘れなかったのだからその推測はきっと事実になるはずだ。
先に起きて朝食の支度でもしておいたら、ちょっとは見直してもらえるかもしれないと、どこか浮足立つ。
魔界のルシファーの部屋のベッドの何分の1しかない小さなそこを、狭いと言いつつも気に入ってくれていることには気づいていた。ルシファーの寝顔を見ていたら、なんだか胸の奥がきゅぅんとして、私たち以外誰もいない部屋を見回すと、深呼吸を一つ。
nagi
DONE◆宵の口 酔いに任せて 君を喚ぶ◆L61の最後で魔王城に行っていたら…の妄想
宵の口 酔いに任せて 君を喚ぶ「お前はどこに泊まりたいんだ?」
そう言うと返ってきたのは、「せっかくのお呼ばれだから魔王城に行こうかな」という言葉で、全ての感情を抑えてやっとのことで「おまえならそう言うと思った。ゆっくりしてこい」と言葉を発した以外のことはなに一つ覚えていなかった。
どうやって自分の部屋に戻ってきたのかもわからないのにベッドに横たわる俺。ベッドサイドにはいつの間に手にしていたのか、とっておきのためにと取っておいたはずのデモナスが瓶のまま置かれており、どうやら俺はそれを一人であおっていたようだと悟る。無言のままにそれを持ち上げて傾けると、中身は相当減っていた。
ぼーっとする頭でも、考えるのは彼女のことばかりだ。
3212そう言うと返ってきたのは、「せっかくのお呼ばれだから魔王城に行こうかな」という言葉で、全ての感情を抑えてやっとのことで「おまえならそう言うと思った。ゆっくりしてこい」と言葉を発した以外のことはなに一つ覚えていなかった。
どうやって自分の部屋に戻ってきたのかもわからないのにベッドに横たわる俺。ベッドサイドにはいつの間に手にしていたのか、とっておきのためにと取っておいたはずのデモナスが瓶のまま置かれており、どうやら俺はそれを一人であおっていたようだと悟る。無言のままにそれを持ち上げて傾けると、中身は相当減っていた。
ぼーっとする頭でも、考えるのは彼女のことばかりだ。