HATOJIMA_MEMO
DONEファウストを探し始めた頃のレノックスと、一人の魔法使いの出会いから別れのお話(パスワードはお品書きに記載しています)
魔法使いの約束過去WEBオンリー「月下、我らの歩みなり」開催おめでとうございます!
過客 それは、ネロに頼まれた買い出しの最中の事だった。
自分の買い物ついでに誰かの分を買ってくるのはいつもの事だが、ネロの頼むものはひいては魔法舎の皆の食事に直結してくる。結果なかなかのボリュームになったそれは晶一人では物理的に荷が重く、偶々通りがかったレノックスと共に向かう流れになった。
晶だけでは持ちきれなかった荷を抱え、遅れる事なく歩んでくれていたレノックス。そんな彼が、ふと雑踏の中で歩みを止めた。
はっと何かに気付いて、それを探すように周囲を見回す。
「レノックス? どうかしましたか?」
「……いえ、すみません。少し……」
そこで言葉を切って、戻りましょうと続けた彼に「はいそうですか」と頷ける晶ではなかった。少なくとも、僅かに落胆の色が見えた彼を放って買い出しに戻れる程太い神経はしていない。
14239自分の買い物ついでに誰かの分を買ってくるのはいつもの事だが、ネロの頼むものはひいては魔法舎の皆の食事に直結してくる。結果なかなかのボリュームになったそれは晶一人では物理的に荷が重く、偶々通りがかったレノックスと共に向かう流れになった。
晶だけでは持ちきれなかった荷を抱え、遅れる事なく歩んでくれていたレノックス。そんな彼が、ふと雑踏の中で歩みを止めた。
はっと何かに気付いて、それを探すように周囲を見回す。
「レノックス? どうかしましたか?」
「……いえ、すみません。少し……」
そこで言葉を切って、戻りましょうと続けた彼に「はいそうですか」と頷ける晶ではなかった。少なくとも、僅かに落胆の色が見えた彼を放って買い出しに戻れる程太い神経はしていない。