ninosukebee
DOODLE蜂須賀さん(@W8N3s)とのトークにヒントを得て本人はウニュサンが書きたかったと言っており……、9話後if?
見直してません
いやはてのプリマ フロアに立ちこめる息苦しさにすっかりまいってしまって、サンウクは風を求め階段を登った。日々のルーチンをこなすことはグループの精神的な平常を保つために大切な一つだが、こうも破れかぶれでは足から腰から根が生えて墓土の上に居場所を定めかねない。一時退避は戦略的に有効だ。浸りきった淀みから解放されねばならない。せめて自分だけでも。
口の中で言い訳を捏ねつつ登りきった先の屋上には、果たして夕焼けに染まる女の姿があった。女と言ってもまだ成熟しきらない、一人の少女である。彼女は踊っている。積み上げられた雑塵の隙間から覗き見る者の存在などまるで知らず、くるりくるりと回る影を連れて、最後に一つ飛び跳ねると、世紀末のプリマは観客のいない虚空へ気のないお辞儀をした。はあ、と疲れた息を吐く彼女の艶髪を、強く吹いた風が乱暴に嬲っていく。よろめく少女の姿にわずか動揺を煽られて、サンウクは喉に詰まった息を吐き出し舞台へと上がった。
2033口の中で言い訳を捏ねつつ登りきった先の屋上には、果たして夕焼けに染まる女の姿があった。女と言ってもまだ成熟しきらない、一人の少女である。彼女は踊っている。積み上げられた雑塵の隙間から覗き見る者の存在などまるで知らず、くるりくるりと回る影を連れて、最後に一つ飛び跳ねると、世紀末のプリマは観客のいない虚空へ気のないお辞儀をした。はあ、と疲れた息を吐く彼女の艶髪を、強く吹いた風が乱暴に嬲っていく。よろめく少女の姿にわずか動揺を煽られて、サンウクは喉に詰まった息を吐き出し舞台へと上がった。