1oxo9
TRAINING診断メーカーからマカサイSS「溶けたアイスが手首を伝う」で始まり「炭酸の強いラムネは涙の味がした」で終わります。
#こんなお話いかがですか #shindanmaker
https://t.co/9wtKB4PI6V
アンドロイドに人間のような体温はない、故にこれは外気に触れた結果だ。けれど、確かにそこには熱があって、温かいと感じる。プログラムの異常による錯覚、なのだろうか。冷静に判断するように告げる脳内と、溺れてしまいたい欲望がぐるぐると、行ったり来たりしていた。それが居たたまれずに、サイモンはいつも、逃げ出したくなってしまう。マーカスの熱は、自分には熱すぎる。このアイスのように、溶けてしまいそうだ。けれど、その熱に捕らわれた自分は、どうしてもその場から離れることはできなかった。いつも、いつでも。今も、そう。
「サイモン」
力強くも優しい声が、音声プロセッサを刺激する。
思わず目を伏せると、マーカスは追いかけるように、溶けて流れた液体を舐め取った。
1022「サイモン」
力強くも優しい声が、音声プロセッサを刺激する。
思わず目を伏せると、マーカスは追いかけるように、溶けて流れた液体を舐め取った。