はねた
PASTむかし書いた幻水2の、タイヤムでした空の青さを海はうっそりとして音もない。
波間を縫って輝く陽が目を射るのに、ヤム・クーはゆっくりと額に手をかざした。
青くさわやかな空、雲ひとつないそこに点々とちいさく黒い染みが落ちているのは鳥でも飛んでいるのだろうか。
舟は波を蹴立てて進む。もはやすぐそこに、クスクスの町は迫っていた。
広大なデュナン湖のまわりを囲み点在する都市や町、そのなかでもわりあいに栄えた街である。その証をたてるように港には大小の船がぎっしりと停泊していて、どれもひと待ち顔にゆらりゆらりとゆらめく波に揺られていた。
白陽が照りつけ、黒ぐろとした舟影が水のうえに踊る。
一週間の航海は漁師にとってさほど長いものでもないが、それでも陸地が見えるとなにがなしほっとするのが我ながらおもしろい。
2958波間を縫って輝く陽が目を射るのに、ヤム・クーはゆっくりと額に手をかざした。
青くさわやかな空、雲ひとつないそこに点々とちいさく黒い染みが落ちているのは鳥でも飛んでいるのだろうか。
舟は波を蹴立てて進む。もはやすぐそこに、クスクスの町は迫っていた。
広大なデュナン湖のまわりを囲み点在する都市や町、そのなかでもわりあいに栄えた街である。その証をたてるように港には大小の船がぎっしりと停泊していて、どれもひと待ち顔にゆらりゆらりとゆらめく波に揺られていた。
白陽が照りつけ、黒ぐろとした舟影が水のうえに踊る。
一週間の航海は漁師にとってさほど長いものでもないが、それでも陸地が見えるとなにがなしほっとするのが我ながらおもしろい。