yaginoura0811
DONEラカムさんGiの話。アオイドス少し出。最近なんだかんだでドタバタしていた。グランサイファー含め、他の艇の修理や製作の依頼で立て込んでいて俺はベッドに入って即堕ちの日々が続いていた。
体力的にも精神的にもギリギリというところでなんとか落ち着きを見せてきた作業は俺の手がなくても進む所まで来ている。
やっと、休める。
俺は数日変えていない自分の臭いの染み付いたシーツを嗅いで思う。
(そろそろ変えてやらないとな)
依頼が立て込み始めた時、俺はアオイドスにその旨を伝えなるべくバンドの練習は入れないように頼んでいた。
特に急ぐ出演依頼もなかったので承認は得られた訳だが。
アオイドスが決まって俺の部屋を訪れては好き勝手に雑談して戻ることもあれば、そのままそういう行為に流れる事もあった。
そういう関係になったのはそんなに遠い記憶じゃない。
普通の恋人同士が行うスキンシップやキスし合う行為を繰り返しては、明確にならない気持ちにモヤモヤしていた時期もあった。
アオイドスはああいう感じで余裕のある素振りを見せてくるが、肝心の俺はアタフタしてる。
だが、一方のアオイドスも事を起こした時にはその余裕はどこにと言った感じで健気な反応 2228
yaginoura0811
DONEラカアオに幸がありますように。愛を奏でるシンフォニー。俺は、一台決心した。
ずっと踏ん切りがつかなかった事にケジメを付けるために。
それはアオイドスとの関係に一区切りをつけるための準備。
思えばアオイドスと出会って2年近くになる。
操舵士とミュージシャンという全く違うフィールドにいた俺達がこの広い世界を、団長を通じて出会った事は奇跡と言っても大袈裟じゃ無い筈だ。
最初アイツと会った時、名前を名乗るよりも先にバンドを組もう!とか言われるし、今では呼び慣れたアカイドスという変なあだ名まで付けられちまったのが今では懐かしい。
何もかも分からない状態でアオイドスと旅をする事になって、弾いたこともないベースを持って慣れないパフォーマンスに明け暮れて、気がつけば年月は経ってた。
勿論、楽な道じゃなかったしアオイドス自身も自らの無くした記憶との葛藤もあってお互いに過去を受け入れて成長したというか、そうやって一緒に旅をしてアオイドスの事を知るきっかけにもなっていった。
何処を切り取っても思い返せばいい思い出だったと思う。
そして、いつしかそれが当たり前になっていった。
その当たり前がふと無くなった時、俺はなんだか物足りない気持ちになった。
旅 4413
yaginoura0811
DONE再び声が出なくなるアオイドス。その原因は?ラカアオシリアス。モブ女の子騎空士登場。名前はない。突然、アオイドスの声が出なくなってしまった。
前触れもなく、本当に当然に。
歌うことは出来る。何故かステージの上ではいつもの伸びやかな歌声が出た。
ただ、日常会話をする中での発声は全く出来なくなってしまったのだ。
人間が自分の意思を伝える上で欠かせない声。
まるで、ノイズの中で過ごしていた子供の頃に戻ったようだとマネージャーはなんともやるせない顔で言った。
なんとかこの状況を打開する策はあるのだろうか。
精神に関わることだとしたら何が原因なのだろう。
アオイドスはどうするつもりなのだろう。
「アオイドスさん、お昼にしませんか?」
ルリアがアオイドスを呼びに部屋まで来ると、その声に手を上げて応えた。
とことこと走ってきたルリアはアオイドスの手のひらに指で文字を書いて内容を伝えた。
今日のお昼はオムライスだと。
アオイドスは笑って分かったと口を動かして答える。
ルリアがそれを確認して部屋を出て行く。
普段の日常会話はこうしてやりとりしている。スケッチブックに文字を書いたり短い単語は口を動かして伝えたり。
なんとかそうやって生活は出来ているものの、アオイドスは人知れず頭を抱え 4545