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DONE北3/健全//わちゃわちゃアホやってる北3+通りすがり賢者と魔法使い達・三人称 オーエンの手からぼろぼろと白いかたまりが落ちていく。ミスラが大きな口を開き、手元の赤を齧り取った。
「あ。ちょっと、それ僕のだよ」
「はあ。もう食べちゃいましたが」
「ふざけないで。腹を捌けば出てくるかな?」
「やってみればいいでしょう。俺より弱いあなたにできるわけありませんが」
は?
なんです。
二人ぶんの声が剣呑に響く中、乱闘の気配を察知したブラッドリーが自分の皿を持って横を向いた。さり気なく腰を浮かせて、いざという時にはいつでも抜け出せるように準備する。
必要とあらばどちらかに手を貸すことも多々あるが、特に興味も意味もない喧嘩で美味な料理を堪能しそびれるのは御免だ。ミスラの気まぐれで殺し合いになることも多い厄介なお茶会とはいえ、本日のお供は自分の知る中でもっとも腕の良い料理人が用意したもの。
お茶会が台無しになるのは心底どうでもいいが、料理が台無しになるのは許せない。
「ブラッドリー。まさか、逃げ出そうなんてしてないよね?」
「ブラッドリー。この人を黙らせるので手を貸してください」
ああ、遅かった。忘れてくれていいものを、こんな時ばかり記憶力がいい。特に 2756