花咲流奈
DOODLE花暦13話『梅』を聞いて思い浮かんだ小ネタになります。きっと伽羅ちゃんはなんらかの任務で本丸には不在なんだろうな、と思った結果こうなりました。鶴丸を気遣う大倶利伽羅の気持ちと、それに応えた日向の掌編。CP要素はありませんが、くりつるの人間が書いているので微かに香るものはあるかもしれません。やさしい気持ち 刀剣男士たちが寝起きをするための棟、その一室から灯りが漏れているのを確認した日向は大急ぎで厨に向かい、残してあった汁物を温め直し、用意してあった握り飯に漬物を添えて戻る。
「……鶴丸、まだ起きてる?」
声を潜めて問いかけると、間もなく戸が開いた。
「日向じゃないか。こんな時間にどうしたんだい?」
夜も更けて、そろそろ日付が変わりそうな時間に訪れたのだから、その質問はもっともだ。
「夕餉、食いっぱぐれたでしょ。おにぎりと味噌汁だけだけど、何かお腹に入れてから寝た方がいいと思って」
今日一日、日向は注意深く鶴丸の動向を確認していた。実は夕餉だけでなく、昼餉も抜いていることは確認済みなのだ。
刀剣男士は食わなくても死にはしないが、空腹という感覚はあるのだから、任務中ならいざ知らず、本丸での日常でそれを誤魔化すのは難しい。
1486「……鶴丸、まだ起きてる?」
声を潜めて問いかけると、間もなく戸が開いた。
「日向じゃないか。こんな時間にどうしたんだい?」
夜も更けて、そろそろ日付が変わりそうな時間に訪れたのだから、その質問はもっともだ。
「夕餉、食いっぱぐれたでしょ。おにぎりと味噌汁だけだけど、何かお腹に入れてから寝た方がいいと思って」
今日一日、日向は注意深く鶴丸の動向を確認していた。実は夕餉だけでなく、昼餉も抜いていることは確認済みなのだ。
刀剣男士は食わなくても死にはしないが、空腹という感覚はあるのだから、任務中ならいざ知らず、本丸での日常でそれを誤魔化すのは難しい。
花咲流奈
DOODLE『本丸花暦』第二話を聞いて思いついた小ネタです。ミュ本丸の鶴さんが伽羅ちゃんの一挙手一投足をニコニコ見守ってる理由をシリアス方面で考えてみた結果こうなりました。CP要素はなしですが、くりつる好きが書いてるのでほんのり香る程度の何かはあるかも知れません。花だけが聞いていた まだ寒い冬の早朝。
あさぼらけの空を見上げながら、なんとなく目が覚めたので鶴丸は庭をそぞろ歩く。
綿入れの半纏、首には毛物の襟巻きを巻いてしっかりと防寒しているのは、うっかり大倶利伽羅に見つかろうものなら渋い顔をされるからだ。
馴れ合うつもりはない、が常套句でありながら情の深いあの子は旧知の鶴丸を放っては置かない。
半纏も襟巻きも夜半や明け方のいっとう冷える時間にふらっと本丸の敷地を彷徨く鶴丸の癖を知った大倶利伽羅がいつの間にか用意して、ある夜更けに無言で着せられた。
その顔があまりに真剣であったので、されるがままとなり現在に至る。
夏用には薄手の肩掛けまでが常備されている辺り、彼自身がどう思っていようとも優しくて世話焼きな子だ。
2534あさぼらけの空を見上げながら、なんとなく目が覚めたので鶴丸は庭をそぞろ歩く。
綿入れの半纏、首には毛物の襟巻きを巻いてしっかりと防寒しているのは、うっかり大倶利伽羅に見つかろうものなら渋い顔をされるからだ。
馴れ合うつもりはない、が常套句でありながら情の深いあの子は旧知の鶴丸を放っては置かない。
半纏も襟巻きも夜半や明け方のいっとう冷える時間にふらっと本丸の敷地を彷徨く鶴丸の癖を知った大倶利伽羅がいつの間にか用意して、ある夜更けに無言で着せられた。
その顔があまりに真剣であったので、されるがままとなり現在に至る。
夏用には薄手の肩掛けまでが常備されている辺り、彼自身がどう思っていようとも優しくて世話焼きな子だ。