どちらが王子か分からない ユウリは、世間での俺のイメージというものとは別に、俺を捉えているらしい。いや、でも女性と居るところを数回フ〇イデーされて、それでも変わらず。気遣ってバトルを誘ってくれる友人であるこいつは、チャンピオンというだけあり、本当に大物なのか。
「だって、キバナさんが好きなのは、女性の前にポケモンたちや、ポケモンバトルですよね。それくらい、私でもわかります」
試合前。控え室でポケモン雑誌を読みながら、どうということはないという様子で言う彼女に、驚くを通り越して呆れてしまう。俺は、「いやでも違うだろ」と息をついて頭をかかえ、我ながら情けないことを言っているなと思いつつ続ける。
「俺、女優と話してるってのスクープされただけで、前より炎上してんだぜ。ユウリ、お前はまだ子どもなんだから、付き合う友人くらい選べよ」
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