『その背中を守れるように』「炎の呼吸、壱ノ型…不知火っ!」
「星の呼吸、参ノ型っ!乱式……流星群っ!!」
背中を預けあい、杏寿郎と猗窩座は鬼が生み出した大きな虎のような獣を蹴散らしていく。
次々と生み出される獣たち。鬼の血鬼術で描いた獣が実体化するものだった。
一つ一つは強くはないが、何如せん数が多い。
このままでは埒があかないと
「杏寿郎、探す」
「わかった、こっちは任せろ」
猗窩座の言葉の意図を直ぐに理解した杏寿郎は猗窩座を背中に守るように立ち
「星の呼吸、壱ノ型」
「炎の呼吸、肆ノ型」
猗窩座が型を繰り出すのに合わせるように己も構えていく。
「羅針っ!」
「盛炎のうねりっ!」
杏寿郎を中心に炎が舞い踊り大小様々な獣を蹴散らす中、猗窩座の体に雪の結晶のような星の煌めきのような羅針盤が現れて鬼の方を指し示す。
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