その夜、乾はいつものようにボーイの仕事を熟し閉店作業を終えた。
仕事には慣れてきてはいるが、最初の頃より疲労が溜まる気がするのは酔った客に絡まれまくるからだろう。
鬱陶しいな、と思わないでも無いがまあ酔っ払いだし、この先付き合っていく訳では無いのだからと適当にあしらった。
その経験が生きているのか、昼間のバイク屋での図々しい客でも適当に捌けるようになった。
とはいえ、昼間の客より夜の酔った女たちの方が扱いが面倒ではある。
酒と閉鎖的な薄暗い空間で感覚が大胆になるのか。欲望を隠しもせず、自分の指名してる男に直接的な言葉を投げ掛ける。露骨にホテルに誘ったりしているのを見てるとちょっと引く。
それらを客の機嫌を損ねる事も無く上手く宥めている男達は凄いなと思う。
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