forbidden love〜後編〜 花火の打ち上げ場所からは遠くなったが、世界的に有名な夜景と花火が一度に見ることができる。こんなベストスポットがあるとは思わなかった。
花火が上がる時間は約十分だが、次々と華やかな花火が上がり夜空を彩る。
見に来ることができてよかったと、出久は心からそう思った。この二ヶ月は学校で教壇に立つことだけに意識を向けてきた。気を抜くとすぐに焦凍とのことを思い出してしまいそうで、家と学校だけの往復、それ以外のことには目を向けないでいた。
学校の卒業式という一つの区切りにこうやって幻想的な情景を見ていると、心がすっと救われていくような気持ちになった。
「ここまで走ってよかった…ここなら言える」
「ん?」
隣の焦凍の呟きに出久が顔を巡らせると、左手を取られ指に何かが当たった。
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