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    iceheat_ofa

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    10/31 インテ新刊の冒頭…部分。
    前作の続きで、今回はでくくんが連れ去られてしまう流れを書きたいな…と。
    もともとはオバホとか出してたんですが…ちょっと敵連合に変更中。
    そっちの方が…話の流れ掴みやすそうだったので…

    人魚の初恋 吸血鬼の懺悔 2 まるで母に抱かれている様な温もりにふと目を覚ました。胸元に顔を埋める様にして、出久が眠っている。ふわふわとした緑の髪の毛に鼻先と口元を擽られて、ふと表情が緩む。寒いのかぎゅうと背に回された腕と、密着する体が服も何も着ていないことに昨夜のことが記憶に蘇る。
     キスをされたことで出久があの時助けてくれた人物だったとわかり、そこからはずっと胸に秘めていた想いが箍が外れたかの様に溢れ、キスをして震える体を抱いた。自分が触れると掠れた声でも反応されるのが嬉しくて、出久が声を上げるところに何度も触れた。
     誰かに触れるなど、もう何年もなかった。そして誰かにこんな想いを抱くことなど、絶対にないと思っていた。
    父が過去に行ったことに対して反発し、そして母を追い詰めたことを許せないでいた。だから海に飛び込み死のうとしたが助けられて生き延びてしまった。どちらにしても吸血鬼である自分があの時死ねたのかさえも疑問だが、出久に助けられて今がある。
    あの時は出久と分からずに、ただその人物に会いたいという思いからもう一度生きてみようと思っていたが、自分を後継にと執拗に思う父の態度が嫌になり、家を出てたまたま見つけたこの小屋に身を隠した。
    昔から自身の身を守るために元々持つ吸血鬼の特異能力以外に、護身術や魔術的なことを叩き込まれていた。焦凍は教えられたこと以外に、独学で身につけた結界などの知識からこのこの小屋には何重も結界を張っている。
    きっと父の元に仕える何人かが尾行なり監視なりしているはずだ。
    前まではたとえ見つかってもこちら側には入れないようにしているし、自分一人なら力を使ってでも蹴散らせる自信があった。
    けれど今は出 久が側にいる。彼を傷付けさせるわけにはいかない。自分がいない時に対応できる手段として、より厳重に結界を張り巡らせた。
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