消えちゃいたい!②購買で、ポテトチップスやら炭酸飲料やらを買い込む。普段部活の時にタオルやらシューズやらを詰め込んでいるエナメルバッグの中身はそれだけでいっぱいになって、これから向かう場所への期待感も膨れていく気がした。
隔週に一回、デュースはとある場所へ一目を盗んでその場所へ向かう。これももしかしたら、一種のオフ会というやつ……なのかもしれない。
「シュラウド先輩、遅くなりました!」
「……デュース氏……? って、ああ……もう【今日】か」
「えっ、忘れてたんですか!?」
イデアの素っ気ない態度に、思わず大きな声が出る。煩いよ、と釘を刺されて、人の部屋に上がり込んでいるという後ろめたさもあってデュースは口を噤んだ。
デュースが今いるのは紛れもなくイグニハイド寮の、イデアの部屋だ。今日のような用事でなくとも何かと来ることの多いそこは、何度訪れても慣れない。赤や黄色、加えて白や黒で統一されたハーツラビュルとは何もかも違って、電子の青いスクリーンが占める光景は何度見ても圧巻だ。
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