クリスマスとか大晦日とか正月とか誕生日とか 慣れてはきたが、ともすると連中は直ぐに俺の家へ集まろうとする。その上、年末年始はイベントが多くて少し適わない。
今夜の鍋はすき焼きで隣を陣取って座る杉元の横顔を見つめる。今夜も鍋奉行を務めていて愉しそうに見えた。
クリスマスなのにすき焼きかぁ。
胡座から正座になった白石が言葉とは裏腹に愉しそうな声で呟き、それを聞いた房太郎がビールを手酌しながら、チキンよりも牛肉の方が豪華で良いじゃないか、と云って白石の背中を景気好く叩く。
クリスマスねえ。普段は信仰心の信の字も持ち合わせていないくせになんで皆クリスマスに集まるのだろう。
見ず知らずの他人の誕生日に酒飲んで飯も気合いを入れて用意して愉しいか?
食台に肘をついてグラスを揺らしながら呟くと杉元が苦笑いをする。
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