異形と盲平家の亡霊が聞こえてキャッキャッする2人。暗くなり犬王の父に蹴り落とされ打った所がズキズキと痛み出してきた。
「ウ…」
敏感な聴覚で逃さなかった友一は「どこか痛いのか?」と体を触る。
「大丈夫だ。ただの打ち身だ」
ヘラヘラと笑う犬王だが顰める友一。
「敏感に動き回るお前がそんなヘマするわけないだろう」
「たまにあるさ」
膨らんで硬い背中を触ると僅かに反応した。
「背中か?硬いところに余程じゃないと痛くはないだろ。嘘をつくなよ」
バレてしょんぼりする犬王。
「……悪かった」
「責めている訳では無い。打ち身の薬で塗ってやろう」
「あるのか」
「盲はたまにぶつかるこある。だから常に持ち歩いている。中にはわざとぶつかってきたり石を投げられたりとかな」
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