両片思いの話(督白)「向こうで高杉が娘に告白されていたぞ」
顔を見るなりそう告げてきた幼なじみに、銀時は眉をしかめた。
「あー、そう。今月に入ってもう三回目?先月は七回だったか?」
「明日にはこの拠点を立つからな。告白ラッシュというやつだ」
「ケッ!鬼兵隊総督様は随分とおモテになるようで」
「で、貴様はいつになったらアイツに告白するんだ?」
「はあ?」
露骨に不機嫌そうに、銀時は吐き捨てる。同時にキシッと傷んだ縁側の板が鳴った。ここしばらく拠点としている古寺には雨戸もなく、野ざらしの縁側は少し力を入れただけで五月蝿く軋んだ。
「俺が?あいつに?んなことするかよ、気色悪いこと言うんじゃねぇよ、ヅラ」
「なぜだ?惚れているのだろう?高杉に」
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