花束 最近のシルヴァンは、週末にベレスの部屋を訪れる度、小さな花束を持ってくる。
「俺だと思って可愛がってくださいね」
なんてことを言いながら渡してくるのでいつも素直に受け取っていたのだが、毎週のように手土産として持参されるとさすがに申し訳なさを感じてしまった。
「どうして毎回花束を持ってきてくれるの?」
改めて疑問をぶつけると、彼はしゅんと肩を落とす。
「もしかして迷惑でしたか?」
「ううん、嬉しいよ。ただ、毎回買ってくるのは大変じゃないかと思って」
貰ったばかりの花束を早速花瓶に活けようとリボンを解く。外装と包まれた花の色のバランスも毎回ぴったり合っていて、もしかしたら店の人と色々と相談しながら包んでいるのかな、なんて想像をする。
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