怪しい組織があったので「1号さん、アレ…」
笑顔でタケオオツクツクについて語っていた悟飯がぴたりと足を止めて、しゃがみ込んだ。
私も習う様にそうして、指の差す方を見る。
一見ただの岩肌に人がゆっくりと近づき、しゅっと音を立てて消えていく。
その光景はさながら昔所属していたレッドリボン軍のアジトのようだ。
「生体反応が消えている」
「そうですね。気が感じられない…」
「……隠れて何かをやっているということか」
私の言葉に悟飯はそうかもしれませんね、と呟いた。
2人が消えていく入口の方に回り込んで見ても、傍目にはただの岩山だ。
入口の様なものはない。
「……いくか?」
「……ちょっとまってください…」
そう言うと孫悟飯はぐっと目を閉じた。
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