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    Lionsomps

    ラウヴァアアアアアアアン!
    14の二次小説とか>http://studiosxr.web.fc2.com/index.html
    おえかき練習中

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    Lionsomps

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    とうらぶくん、供給多すぎ










    「年寄にゃこういう仕事の方が向いてるな」

    彼はなんとも情けない声色でおどけながら独り言ちて、せっせとさやえんどうの筋を剥いている

    「あのでっかいの、容赦なくこき使ってくれやがってだな・・・」

    よろよろとした足取りの則宗さんを従えて帰ってきた桑名君は今、リヤカー満載の白菜やらを洗ってくるからと
    張り切って井戸の方へ彼をここに置いて行ってしまった
    そんなことを言っても桑名君が大体の力仕事はやってくれたんだろう
    最近の内番は自然とそれが得意だったり好きだったりする者たちの中で適当にやりくりしている
    新しく来た刀には一応一通りを体験してもらうのが習わしだったが、まあ向いているとは最初から思ってはいなかった

    「体を慣らすにはいいかなと思ったんですけどね」

    今日の蓑かごの中にはさほど量もなくやや小ぶりなさやえんどうが入っている
    旬じゃないし、冬真っ盛りならこんなものだ

    「これが終わる頃にはおやつが出来上がりますよ。そうしたらお茶でも飲みながら頂きましょう」
    「いいねえ」
    「多分、もう一つお仕事をお願いされることになると思いますけどね」
    「ああ?まだこき使おうって言うのかい」

    ここ数日、まるで猫が獲物を遠巻きに狙う様に五虎退この人を伺っていたのを私は知っている
    同じ門派だというのに、彼らとの間に流れる不穏な気配に臆して近寄れないらしい

    「通過儀礼の一つなんですよ。子守みたいなものだから大したことじゃないです」
    「・・・はねっかえりのケツ蹴り上げるのは得意だぞ?」
    「大丈夫、聞き分けのいい子ですから」
    「それはそれで面白くないねえ」

    毒ずいてみせてもこの好好爺の纏う空気はとても柔らかだ
    その膝の上を今か今かと待ちわびているあの子がもうすぐこの縁側に現れるんだろう

    存在しない海、存在しない空、存在しない風
    存在しない恋に存在しない悲しみ
    それらが詰まったあの本を抱えて
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