ごじょまり1※捏造
※なんでも許せる人向け
高校三年生にもなれば、ある程度のところまで経験済みというのは当たり前なのかもしれない。自分も例外に漏れず、そうであることは間違いない。例外に漏れないのであればこれから訪れる倦怠期、喧嘩、価値観の違いによる仲違い、憂鬱である。しかし、隣に座っている恋人は、涼しい顔をして担任から頼まれた提出物を進めている。横顔をまじまじと見る特権を得られたのは、一年生の終わり頃だった。忘れるはずはない。その話は今は置いておくが、タレ目なそれが瞬きするたび、こっちを向いて欲しいと念を送った。後一回ダメだったら、声をかける、もう一回、もう一回、続けるうちにこれで最後と念じると、彼が自分の好きな顔をしてこちらを向いた。
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