バレンタインのお話「果たしてバレンタインにチョコを渡すという行事をここヴィランズの巣窟とも言えるNRCで行えるのかどうか」
「うん?」
新生オンボロ寮の談話室で私がキリッと言うとユウは目を瞬かせ、コテンと首を傾げながら不思議そうな顔をする。
「あぁ、そういえば。そろそろバレンタインの時期だねぇ…一月も終わるし」
「そのバレンタインというイベントをNRC生が望んでいるかどうか!」
「う~~~ん…男子校だし、そういうイベントは悉く無視してそうだよね」
難しそうな顔をしたユウの言葉に私はべしょりとテーブルに突っ伏した。
「だよねぇ~~!?」
「あ、いや、でもラキアはフロイド先輩にチョコ渡すんでしょ?」
「…果たして人魚の文化にバレンタインというイベントがあるのかどうかも…謎である」
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