鹿介と月見バーガー(元就と鹿介) 今年も、あの季節がやってくる───
今宵は綺麗な満月だった。
風情溢れる和の邸宅の、整えられた庭が眺められる縁側で一人、元就は月見酒を嗜んでいた。
(そういえばそろそろか…)
テレビのCMで連日流れていた、今の時期に毎年発売される新作のハンバーガーの事を思い出す。
「今年も、来てくれるだろうか…」
一人ごちたその時、玄関のチャイムが大きくなり響いた。
「よう、久しぶりだな!生きてたか?」
元就は久しぶりの再会となる、自分に対し軽口を叩く青年を玄関で出迎えた。
青年の手には、先程思い出していたCMの商品が入っているのだろう、かの有名なハンバーガーチェーン店の袋を持っていた。
(ああ…)
今年もまた、共に過ごせるのだなと思うと、元就は少し笑みを浮かべた。
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