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    rainno🐌

    @shamisembrella

    かたなとさにわ中心。一次創作農家出身。
    絵と字を描くかたつむり。雑食で偏食で悪食。

    drawing / writing
    fanarts mained Touken Ranbu / my originals
    they might contain immorality and palaphilia.

    website ◆ http://unohanakutashi.dreamlog.jp/#top
    pixiv ◆ https://pixiv.me/5amidarainn0
    Tumblr ◆ https://unohanakutashi.tumblr.com
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    明石くん×まんばちゃん (リバ)
    縁もゆかりも脈絡も無いセフレな刀剣男士。独断と偏見だらけの顔カプ。
    女審神者と刀剣男士の関係描写あり。
    R18になるかは未定。

    ##かたなとさにわ



     何がきっかけだったかといえば、とても些細な事だ。この本丸に来るまでは、縁もゆかりも無かった相手だ。美術品として飾られた時代に場を共有する機会くらいはあったかも知れないが、特段印象に残っているでもない。
     偶々。そう、偶々だ。屋敷が手狭になって、建て増しする際の仮住まいで、偶然、相部屋になっただけ。偶然、持て余していた欲求を互いの躰で慰めただけ。広く新しい部屋に越して尚続いてしまっている、謂わばなあなあの関係だ。それ以上でも、それ以下でもない。
     山姥切国広は、こう思い返す。


     この本丸の主は女だった。刀剣男士の中に懇意にする者が現れる事は、他の本丸を例に挙げても然程珍しい事ではないだろう。
     だが、であればこそ、それ以外の者はどうするのか。曲がりなりにもヒトの――男の躰を模しているのである。個体差はあれど、そこには欲求が存在する。腹が減ったり眠くなったりするのと同様に。
     中でも打刀は刀剣全体からして比較的歴史が浅く、精神的に若い場合が多い。何よりヒトでいえば最も血気盛んな年頃の躰を模している。それゆえか単独では処理しきれず、城下の花街に出掛けたり、本丸内で男色に染まる事例も多く見受けられた。
     山姥切国広も類に洩れず欲求不満を抱えていたが、他の者がどうであれ、花街に行くのは女である主に不義理に思えて気が進まなかった。野郎を相手取るにしても、馴染みの仲間とそんな関係を持ちたくはないし、まして兄弟は論外だ。その兄弟はといえば、片や春画や読み物で間に合っているようだったし、もう一方は煩悩を筋肉に昇華させていて、羨ましいような恨めしいような心持ちに苛まれもした。
     そんな中、大所帯となり些かならず窮屈さを感じ始めた母屋の増築を主である審神者が決定し、一部の男士はその間を仮住まいで過ごす事となった。とはいっても、宿を取るだとか小屋を掘っ建てるとかそういうわけではなく、工事の行われるより離れた部屋に寝泊まりするというものだ。当然、空き部屋だけでは足りないため、既に住人の居る部屋への居候となる場合も多々あった。
     国広の兄弟は元々、三振でひと部屋を使っていたが、此度はひと振ずつ分かれての部屋割りとなった。堀川は幕末を共にした仲間の許へ、山伏は仏道仲間のところへ、そして山姥切も相部屋を宛がわれた。
    「失礼する」
    「そんな畏まらなくていいぜ。今日からしばらく自分の部屋なんだからさ」
     ひと言断りつつ入室する山姥切に、両手いっぱい布団を抱えた愛染国俊が笑いかける。来派の刀達を前に目を丸くしていると、蛍丸が口を開いた。
    「俺らは粟田口の大部屋でお世話になるんだ。すぐ出てくから、ちょっと待ってね」
     よもや三人部屋に居候するのかと、一瞬よぎった不安を見透かされたようで、山姥切は頭からかぶった布を一段と目深に下げた。
    「じゃあな、喧嘩すんなよ」
    「あんまり怠けちゃだめだからね」
     わいわいと小さな刀達が退室すると、いよいよ本当の同居人とふた振きりとなる。
    「えろう騒がしゅうてすんませんなぁ。とりあえず、楽にしはりや」
     改めてよろしゅう。そう言って、明石国行は微笑んだ。
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