一ぐだ♀/舌ペロッ制服ぐだとはじめちゃんの話マスター・藤丸立香にとって、新しい礼装はひそかな楽しみの一つとなっていた。姿見の前に立ち、改めて全身を見る。白のブラウスにベージュのベスト、ボトムスはシンプルなグレーのプリーツスカート。胸元の赤いリボンが明るい髪色と合い、華やかな印象を与える。腕を回すと少し窮屈だが、ブレザー制服なのでそれは仕方ない。スカート丈も長すぎず短すぎず、ばっちり可愛い。
「へー、いいんじゃないの?」
立香の後ろに立ち、姿見越しに笑いかけるのは、サーヴァント・斎藤一。裏表のない褒め言葉に、立香ははにかんだ笑顔を見せた。
「えへへ、ありがとう」
「マスターちゃん、今年いくつだっけ?」
「……前言撤回」
低い声とともに後ろにいる彼を睨みつける。それは言ってはいけないお約束だ。現代日本に似た微小特異点修復に際し、潜入のため学生服姿になることもしばしばだが、カルデアのマスターになって幾年月。今も現役高校生かと言われると……。
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