密室 レオ司 今、私たちは密室に閉じ込められている。
遅くまで練習をしていたところ、鍵を閉められてしまったのだ。
「誰も出ませんね…。」
「ん〜こっちもダメみたい。」
「皆さん今日は仕事か既に就寝されているようです。」
「そっかぁ〜!じゃあ、おれは朝まで作曲してようかな〜?」
そう言いながらレオは床に広げられた紙に音符を書いている。
「まったく…危機感がありませんね。」
閉じ込められているというのに、顔色一つ変えずにいられるのはどういう神経をしているんだと思う反面、レオのいつもと変わらないその姿に安心している自分がいるのも事実だ。先程までの焦りはいつの間にか無くなっていた。
幸いなことに、設備がバッチリなこのレッスンルームには、シャワールームの他にトイレや簡易的なベッドに小さな冷蔵庫も備えてある。冷蔵庫の中には、持ってきたおやつや軽食のサンドイッチもあるし、朝までならなんとかなりそうだ。
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