裏合掌物資補給のため寄った島は新世界では珍しい長閑な場所だった。町は港に一つだけ。あとは山と川のみ。
見所はないだろうと判断したナミは日が暮れる前に戻るようクルーに言いつけ、自らも島へ降りていく。
予想通り。この島には海賊が好むような宝も情報もなく、驚くことに荒くれ者さえいなかった。こんなにもゆっくりと過ごせた島は海に出て初めてだったかもしれない。常にトラブル続きだった今までの航海に思いを馳せ、ある特定の人物を除いた一味は奇妙な感動を覚えた。
だが、その所為か。歯に衣着せぬ言い方をするならば退屈な島でもあった。あのルフィが「あきた!」と言うほどに。しかし、そんな平和な島を発ってからというものサニー号では不可解な出来事が続いていた。
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