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    kaguRa。

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    kaguRa。

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    彼らの物語。
    第壱章 第一節 
    「旅立ち」

    今回の主役:gr
    完璧妄想捏造。
    本人様方とは一切関係ないです。
    見る場合は自己責任でお願いします。
    文章中、避け抜けてます。

    ##我々だ##wrwrd軍パロ

    少年は歩を進めた。夢を夢で終わらせないために。少年らの、やがて大きな一人の人間になる者たちの物語は、動き始めた。

     「旗を掲げよ!」


     さてどうしたものか。ああ豪語したは良いが、この街を出るにはいくつかの関門を潜らなければならない。さらにその関門は三つほどある。
    第一の関門は「資材」だ。父にも秘密にしているルートがあるが、果たしてその目を掻い潜れるだろうか……。調達するのは、武器に食料に衣服と………。時間は思ったよりかかりそうだ。第二の関門は「あいつら」だ。あの二人が家を出られるかも、私の夢を、未来を実現するために重要である。そして、最大の難関、最終関門は「父」だ。どうしたものか。時間は4年あまり。その間に説得-----
    ………いや。「説得」などというものは私の性に合わん。説得など手緩い。覚悟は十二分にできている。こうなれば実力行使といこうではないか。つまりは出し抜きだな。ふふ……………あっと驚く父の阿呆面が目に浮かぶようだ。
    待てよ…………よく考えてみたらたったこの三つか?なんだ、こうも深刻に考えなくて良かったな。お陰で家族で食事をしているというのにしかめっ面だ。怪しまれるではないか。
    「どうしたんだ。さっきから浮かれない顔をして。何か考え事でもしているのか?」
    「申し訳ない。言葉の通り、考え事をしていた」
    「お勉強の事ですか?勤勉ねぇ。良い事ですよ」
    「はっ。兄者のことだ。どうせまた良からぬことをお考えになっていたんでしょう?」
    弟はいつもこれだ。何かしら突っかかる。
    「おだまりなさいアインザッツ。お前はもっとお兄ちゃんを敬いなさい。」
    「分かっていますよ。兄者の"お人柄"は尊敬いたしておりますとも」
    「やめたまえ。そんな心もこもっていないお世辞など誰が受け取るのだ?そのような小言しか言えないのであれば黙っているといい」
    「………………っ!」
    「やれやれ。どうも二人は仲良くしないな」
    弟とは元来、仲が決別している。気を寄せるつもりもないし、戻すつもりも毛頭ない。なんせ、未来の敵・空軍省長なのでね。情などかけていられない。

     深夜
    「母様。私です」
    「お入り」
    「失礼します」
    「……どうしました?こんな夜更けに」
    「母様に折り合って話があります。とても大事な」
    「それほど重要であれば、お父様にお話しすれば良いでしょう?」
    「いえ。母様に話すべく参りました」
    「…………どうしたの?」
    「成人儀の日の明け、友人二人と共に国を出ようと思います。もう決めました」
    母はおっとりしたその目を丸く見開いた。
    「………理由を聞いても?」
    「はい」
    心の内に決めた意思を話した。母はそれを、黙って聞いていた。
    「…………なるほど。そうですか…」
    「ご理解頂けないのは承知しています。しかし、私はこの夢を折ることはしません」
    「もう決めているのですね」
    「ええ」
    「では、今日の食会で考え込んでいたのはこのことだったのですね?」
    「はい」
    「…………………………」
    母は暫く黙り込んでしまった。無理もない。16ばかりの少年が、しかも将来の席を用意されている身でありながら、「夢」などと戯言を口にしているのだから。
    母は、ゆっくりと顔を上げた。
    「………分かりました。貴方の心赴くままに進んでごらんなさい」
    予想していなかった。多少の反発をくらうと思っていたのに、まさかこうもあっさり……。
    「ただし、覚悟なさい」
    やはり。ただでは済まないか。
    「お父様を敵に回すのですからね。絶対に国を完成させ、貴方の"真の敵"を倒すまで、死なないと約束してください」
    へ……………?
    「知らないとでも思いましたか?うふふっ。気付いてないのはあの二人ですよ」
    驚いた。まさか気付いていたなんて。
    「勿論、貴方も。私が気付いていたなんて分かってなかったでしょう?」
    「え……ええ………」
    「フフッ。久しぶりにグルッペンの可愛いらしい顔を見た気がするわ。最近、忙しそうにしていたんだもの。寂しかったわぁ…」
    そう言う母はとても穏やかな顔をしていた。いつも私に向けてくれる、純粋無垢な愛。まるで小鳥が巣立つのを見ているかのような。そんなような……
    「でも、この程度で寂しいなんて言っていられないわね。成人儀が終わった明けに行くのでしょう?」
    「ええ」
    「そしたら、次に会えるのはいつになるかしらね」
    「わかりません」
    「…そうでしょうね」
    母はそう言うと、ふわっと私を抱き寄せた。そして、ぎゅうっ…と力を入れた。
    「あぁ…本当は行ってほしくない…………」
    心の底から絞り出すように言った後、母はそっと私を離し、私に向けて切な気な表情を見せた。
    「母様……………」
    私がそう言うと、母はバッと表情を変えた。
    「グルッペン・ヒューラー」
    「は、はい」
    「後悔は無用です。後悔なんて、貴方には無意味です。常に前を向きなさい。下を見てはいけない。きっと、貴方の足元には貴方が殺しゆく人々が這いずっているから。」
    「はい」
    「信頼できる仲間を見付けなさい。二人なんて全然足りないわ。自分の側に置ける人を少なくとも十余人見付けるのよ」
    「はい」
    「常に裏切られると思いなさい。この世は戦記の時代。敵は真正面だけではありません。勿論、裏切られないように、仲間には貴方の"志の根"を張りなさい。憧れを抱かせ、信仰すらももたらすのよ」
    「はい」
    母はまるで、夜更けにここを出る者に言い放つかのように、私に言い聞かせた。父からくらってきたお説教とは別物だ。母の言葉はいつも私の心に自信をくれる。
    母の紡ぐ言葉が自信を呼び覚まし、それはいずれ確信となる。
    「計画はもう立てているのですか?」
    「ええ。食会の時に考え込んでいたことがまさにそれです」
    「そう。私もできるだけ協力するわ」
    「有難う御座います。母様」
    「夜も更けてもう遅いわ。寝なさい」
    「はい。おやすみなさい」
    「おやすみなさい。グルッペン」















    「……………兄者…………………………」




















    次回

    第壱章 第二節「出発」
    主役はtntnさんです。
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    kaguRa。

    TRAINING彼らの物語。
    第壱章 第一節 
    「旅立ち」

    今回の主役:gr
    完璧妄想捏造。
    本人様方とは一切関係ないです。
    見る場合は自己責任でお願いします。
    文章中、避け抜けてます。
    少年は歩を進めた。夢を夢で終わらせないために。少年らの、やがて大きな一人の人間になる者たちの物語は、動き始めた。

     「旗を掲げよ!」


     さてどうしたものか。ああ豪語したは良いが、この街を出るにはいくつかの関門を潜らなければならない。さらにその関門は三つほどある。
    第一の関門は「資材」だ。父にも秘密にしているルートがあるが、果たしてその目を掻い潜れるだろうか……。調達するのは、武器に食料に衣服と………。時間は思ったよりかかりそうだ。第二の関門は「あいつら」だ。あの二人が家を出られるかも、私の夢を、未来を実現するために重要である。そして、最大の難関、最終関門は「父」だ。どうしたものか。時間は4年あまり。その間に説得-----
    ………いや。「説得」などというものは私の性に合わん。説得など手緩い。覚悟は十二分にできている。こうなれば実力行使といこうではないか。つまりは出し抜きだな。ふふ……………あっと驚く父の阿呆面が目に浮かぶようだ。
    待てよ…………よく考えてみたらたったこの三つか?なんだ、こうも深刻に考えなくて良かったな。お陰で家族で食事をしているというのにしかめっ面だ。怪しまれるでは 2528

    kaguRa。

    TRAINING彼らの物語。 
    第零章「旅立つために」

    今回の主役:gr
    完璧妄想捏造。
    本人様方とは一切関係ないです。
    見る場合は自己責任でお願いします。
    文章中、避け抜けてます。
    夢を見たことがある。
     仲間とふざけ合って、笑い合って、ぶつかり合って、邪魔し合って、………内ゲバして。
    個性もバラバラ。価値観もバラバラ。協調性はないし、ほのぼのもしていられない。たまに裏切って裏切られてひっくり返し合ってぐちゃぐちゃになって離れていく。
    でもまた集う。その場所に。何があろうとも。
     ………そんな関係の集団。その輪の中にいる自分を、何度も夢に見た。未来想像だろうか?予知夢だろうか?それとも確定した未来を見ているのだろうか?それは私には分からない。ただ言えるのはひとつ。
     そんな未来を私は望んでいる。


     この世界は小さい。限りなく小さい。まるでこれだけで世界が完結しているかのように。
     私の住む街は一つの山と海に面している。中心部は五月蝿いほどに賑わい、夜を知らない。私はいつも、そう高くない山に登っては、街を展望できる所に立つ一本の木から街全体を眺めている。この木は私が産まれるかなり前、街ができる前からあったそうだ。樹齢はおおよそ140年。かなり大きい。この木は私の第2の父だ。
    私の家は代々この街を治めている将軍家。私の父は祖国の空軍省長であり、この街の領主。祖国は 2436